ビジネスを円滑に進めるための、接待の場に欠かせないのが「手土産」。「今後とも良いお付き合いをしていきましょう」という意思表示となる手土産ですが、マナーを守らなければ、かえって相手に不快感を与えてしまう恐れも。知らないと損をする、接待の手土産について、基本のマナーを解説します。
気配りを形にする手土産の選び方
迷ったらコレ!誰からも喜ばれる基本の手土産
接待時の手土産は会社に持ち帰ることを前提に選ぶのが基本です。オフィスで分け合えるような個包装の菓子ならまず間違いありません。定番は賞味期限が長く、仕事の合間に楽しめる焼き菓子など。オーソドックスなものでも地元の有名店で購入すれば「当社ならでは」の特別感を出すことができます。
相手の好みに合わせた手土産で差をつける
事前に先方のオフィスや会社の特徴をリサーチし、それに合ったものを選ぶとさらに喜ばれます。年配の方が多い職場なら洋菓子よりも老舗の和菓子の方が良いですし、女性が多ければ今流行りのスイーツなどが歓迎されます。
夜や週末の接待なら、手土産を自宅に持ち帰ることを考慮しましょう。相手の好みや家族構成などを視野に入れた品物を選べば、「気が利いてるね」と好印象になることも。
接待の手土産を渡すベストタイミングは?
手土産を渡すタイミングは、会食など接待が終了して相手をお見送りする時がベストです。会って早々に渡してしまうと、食事の際に荷物となり邪魔になってしまうためです。
接待時の手土産は「今日はご参加いただきありがとうございます」という感謝の意を伝えるお礼の品でもありますので、終了時に渡すことで相手に敬意を表すことができます。食事中はお店の方に預けておいても良いでしょう。
接待で手土産を渡す際のマナー
誰から誰に渡せば良い?
接待する相手が複数いる場合は、最も格の高い相手に手土産を渡しましょう。また、こちらが複数人いる場合も同様で、一番格上の上司から渡すのがマナーです。
袋から出したほうが良い?
基本的には品物を渡す際、紙袋に入れたまま渡すのは失礼にあたります。先方が袋などを持っていない場合は、持って帰るのに不便なので「よろしければこちらもお使いください」と声をかけて紙袋を手渡すと良いでしょう。
「つまらないものですが」はだめ?
「つまらないものですが、どうぞ」というのは日本語特有のへりくだった挨拶ですが、せっかく一生懸命選んだ品物ですから「お口に合うと良いのですが」や「心ばかりの品でございます」など、心を込めて選んだものだということを伝えましょう。
手土産に付ける「のし」の基礎知識
蝶結びが基本
「のし」には結び切りと蝶結びの2種類があります。
結び切りは結婚式など「一度きりの場面」に使用されるものです。今後もお付き合いを続けていきたいビジネスの相手に贈るものとしては、失礼にあたります。
接待の手土産につけるなら「何度も繰り返す」という意味合いをもつ蝶結びが基本です。
「のし」の表書きは2タイプ
接待の手土産に付ける場合、表書きは「粗品」か「御礼」が正解です。原則として初めて接待をする相手には「粗品」、2回目以降はこれまでのお付き合いに対する返礼の意味をこめて「御礼」となります。
これはNG!接待相手を不快にさせる手土産失敗例
「手抜き感」が伝わるのは悪印象
手土産の品物はできるだけ事前に用意しておきましょう。相手のオフィスや接待場所近辺で購入したものや、どこでも手に入るような品物だと「慌てて調達しました」といった「手抜き感」が伝わり、悪印象に。相手への誠意を忘れてはいけません。
「高すぎ」「安すぎ」は失敗のもと
大切なビジネスの相手だからといって、あまり高価なものを贈ってしまうと逆に相手に気を遣わせてしまうことになります。とはいえ、あまりにも安いものも失礼です。接待の手土産の相場は、一般的に3000円から5000円程度なので、この範囲で選びましょう。
大きすぎるものや壊れやすいものはNG
かさばりすぎるものや簡単に型崩れするものは、接待場所から家や会社に帰る際の負担になってしまいます。電車に乗ることも考慮して、片手で楽に運べるものを選びましょう。
手土産は相手に敬意を伝えるもの
接待同様、手土産を渡す際に大切なのは「あなたは私たちにとって大切な相手です」という気持ちを伝えること。
相手の立場を考えて最善を尽くすことが「誠意」となり、その気持ちが相手にも伝わるのです。
基本的なマナーを守り、「おもてなし」の接待と手土産でさらなるビジネスチャンスをつかみましょう!