コアコンピタンスは、企業のコアとなる部分の強みのことをいいます。他社に負けない高いレベル、他社が真似できない能力であることが必要です。その能力をもってユーザーに利益をもたらせ、単一の能力ではなく複数の市場や分野にも生かせる能力であることがコアコンピタンスと位置づけできます。
コアコンピタンスと位置づけするには、5つのポイントから分析して見極める必要があります。すべてがトータルに備わっていることが、コアコンピタンスといえるでしょう。
一つ目のポイントは、模倣されにくいかということです。他社に簡単に真似されにくい技術や特性である必要があります。他社にすでに備わっている能力である場合や、すぐに模倣できるものは除外されます。
二つ目のポイントは、多方面の分野に活用できるかが大切です。技術や特性が単一の製品などで活かされているのではなく、他の分野でも応用できるかがポイントです。
三つ目のポイントは、唯一無二の存在であるか、オリジナリティがあるかです。他の技術や特性で代替えすると品質や価値が下がってしまう場合、競争の優位にたてるでしょう。
四つ目のポイントは、耐久性や持続力です。優れた技術力や特性を持ったとしても、短期間でその強みが消失すれば意味がありません。その強みが維持継続されれば、より価値が生まれ顧客の信頼も厚いものとなります。
五つ目のポイントは、希少性を兼ね備えているかです。一つ目の模倣されにくさと三つ目の唯一無二の存在の要件が満たされていれば、五つ目の希少性も同時にクリアできるでしょう。
コアコンピタンスを見極める方法として、他社と比較して優れているものや特化しているものを挙げていきます。技術や特性はもちろんサービス・人材・ノウハウなどあらゆる方面から見て、企業の強みを洗い出していきます。そして上記の5つのポイントをもって、ユーザーの利益となるものを評価していきます。さらに、将来的に継続や成長させるべきか、模倣されるようなリスクがないかなどを検討して絞り込みます。
コアコンピタンスは、企業にとって今後の経営方針を左右するものです。コアコンピタンスを見極め、今後どのように生かしていくか磨いていくかによって、企業の未来が変わる可能性を秘めているのです。