ハッカソンとは、エンジニアやクリエイター、デザイナーなどでチームを組織し、決められた期間内にサービス開発をおこない成果を競うイベントを指す言葉です。エンジニアがシステムを操作する意味の「hack(ハック)」と「マラソン」を掛け合わせた造語で、プログラミングやデザインに没頭しながら、長時間かけて開発を進めていくようすを表しています。
ハッカソンを開催する目的は複数ありますが、主なものは新規事業や新サービスの創出、参加者の教育やコミュニティ作りなどがあります。ハッカソンではさまざまな背景を持ったエンジニアやデザイナーなどの技術者が集まりアイデアを出し合いながら開発を進めていくため、既存の事業を組み合わせて作り上げられる新しい事業やより便利なサービスを生み出す手段として多用されてきました。
また、ハッカソンは社内コミュニケーションを促進する役割も果たすため、社内での交流を深められ、コミュニティ作りにも貢献します。ハッカソンの実施は、より洗練された集団を目指す組織にしたい、よりスムーズな人間関係を生み出したいといった要望を叶えることにもつながります。さらに、レベルの高い技術者にハッカソンの進行をリードしてもらうことで、参加者の技術向上や知見の拡大を推し進めることになり、教育ツールとしての役割もあります。
ハッカソンの実施は増えていますが、中には効果を得られないケースもあるため注意が必要です。ハッカソンは長くても数週間という短期間の中で開発をおこなうため、現場で使えるような完成度まで到達することができず不完全燃焼で終わってしまい、実用性のあるサービスが生まれない単純なイベントになることもあります。その場合、継続的な開催が難しくなり、教育やコミュニケーションの活発化、技術向上としての役割を果たせなくなる恐れがあります。
ハッカソンを成功に導くためには、企画の段階から入念に作り上げる必要があります。ハッカソンの開発テーマや成果物の活用方法を検討し、参加してほしい技術者像を明確にしながら募集要項を細かく設定しましょう。開催する会場選びについても、参加者が快適な環境で開発に集中できるような場所が望ましいです。ハッカソン開催後は参加者にアンケートを取るなどして、今後の改善に向けた取り組みも大切です。