働きアリの法則

働きアリの法則とは、どのような組織においても働く者と働かない者が決まった割合に収束されていくという考え方です。個体すべてが一生懸命に働いているイメージのある働きアリでさえ、一生懸命に働くのは全体の2割であり、一般的な労力で働くのは全体の6割で、残りの2割は働かずにサボっているのです。割合がいつも2:6:2に収まることから、2:6:2の法則とも呼ばれています。

働きアリの法則はどのような集団でも発生する現象で、優秀な2割の人材だけを集めた組織を構築してもその中で2:6:2の集団になります。サボっている2割の人材だけを集めた組織を構築しても、その中から2:6:2の組織が現れます。2割の優秀な人材が現れる現象にパレートの法則がありますが、こちらは2割の優秀な人材が業績の8割を担っているという法則なので、捉え方に少し違いがあります。

どのような組織でも働かない2割が生まれてしまう原因は、集団の中ですぐ動ける人間とすぐ動けない人間が生まれるからです。優れた人を集めてもその中で動けるスピードに違いが生まれ、サボっている人を集めてもその中で動けるスピードに違いが生まれます。動くスピードの違いが生まれる割合によって、2:6:2に組織が分けられるのです。

働きアリの法則は、マーケティングや社員教育で活かせます。マーケティングで働きアリの法則を活かす際は、ロイヤリティの高い上位2割の顧客に注力することです。上位2割の顧客が業績の大半を占める購買力があるため、その顧客の声を聞き商品開発をすることが、業績を高く維持するためには最も効率的といえます。

また、社員教育に働きアリの法則を導入する際は、上層2割・中間層6割・下層2割に対してそれぞれに合った研修プログラムを構築します。上位層にはより高い目標設定をおこない高度な研修を受講させます。中間層には、組織力底上げのための学習機会を提供します。下位層には、活動の振り返りや小さな目標設定をおこない、働くことへの意欲を見出すようなプログラムを検討します。

各従業員に合った研修プログラムを実施するには、適切なグループ分けをするための明確な基準が必要になります。数値などで評価の見える化をおこない、研修後の変化についてもフォローしていくことが大切です。

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