嫁ブロックとは、男性の転職者が妻の反対によって、内定の取り消しを申し出ることをいいます。反対に女性の転職者が夫の反対を受けることを夫ブロックといいます。優秀な人材を確保できたと思っていたのに嫁ブロックにあえば、企業の採用担当者を悩ませる問題となってしまいます。
嫁ブロックにあうことの多い年代は40代です。前職の勤続年数を積み重ね、場合によっては役職者になっていることもあり年収もあがっている時期です。そして子どもも成長し教育費が一番かさむ時期という方も多いことでしょう。企業が即戦力やマネジメント力のある世代を欲している場合には、とくに心配になる問題です。
嫁ブロックの理由は、有給休暇の取得率が低い・残業が多い・年間休日が少ないといった労働条件や、年収のダウンを懸念する声です。妻にとって夫の働く勤務時間や勤務日数は影響が大きいうえ、年収のダウンは家計管理にも大きく支障をきたします。子どもを育てている家庭には、住宅ローンに加え養育費の負担も大きいため、年収についてはより厳しい目で判断されることは仕方ありません。
また日本においては大手企業に対して信頼度が高いため、前職と比べて転職先の規模小さい場合や、知名度が下がる場合に、反対されるケースもあります。
さらに嫁ブロックを理由に、本音の部分では転職する本人自身が決断できていなかったケースもあります。
嫁ブロックの内容が、労働条件などへの懸念する声だった場合、それを改善できる取り組みを行います。長時間勤務や休日出勤などの働き方改革は、嫁ブロックに限らず必要だからです。そして企業での取り組みをアピールし、イメージアップにつながるような働きかけが必要です。給与や福利厚生がしっかりしていることも、嫁ブロックへの対策だけでなく従業員のモチベーション維持には必要です。
嫁ブロックの対応策は、企業の取り組みや成長にも関わってくるといえ、少しでもよい方向へと進めるよう企業努力が求められています。会社のことや就業内容などを理解してもらうために、職場に家族を招待することもひとつの方法です。
従業員に転職後に気持ちよく勤務してもらうことは、会社への貢献度につながります。そのため会社にとっても嫁ブロックは無視できない状況であるといえます。