2022年度全国企業倒産件数は前年度比15.0%増の6880件となり、3年ぶりに前年度を上回ったことが、東京商工リサーチの調査で明らかとなった。
2022年度の全国企業倒産(負債額1000万円以上)は件数が6880件、負債総額が2兆3243億7900万円だった。
倒産件数について東京商工リサーチは「コロナ禍の資金繰り支援策で記録的な低水準を続けてきたが、2022年度は4月から増勢に転じ、3年ぶりに前年度を上回った」と分析する。
負債総額は5年ぶりに前年度を上回った。
2022年度の「新型コロナウイルス」関連倒産は、2602件(前年度比46.4%増、構成比37.8%)で、前年度(1777件)の1.4倍に増加した。
倒産件数を産業別にみると、2008年度以来、14年ぶりに10産業すべて前年度を上回った。
最多は「サービス業他」の2245件(前年度比13.8%増)で、3年ぶりに前年度を上回り、2年ぶりに2000件台に乗せた。
燃料価格の高止まりや人手不足などの影響を受けた「運輸業」が351件(同43.8%増)で、2年連続で前年度を上回り、7年ぶりに300件台になった。
また、飼料価格の高騰などが影響した農・林・漁・鉱業が91件(同51.6%増)で、3年ぶりに前年度を上回った。
【産業別倒産件数】
農・林・漁・鉱業 91件(前年度比51.6%増)
建設業 1274件(同15.2%増)
製造業 802件(同24.1%増)
卸売業 825件(同2.7%増)
小売業 764件(同7.9%増)
金融・保険業 26件(同44.4%増)
不動産業 244件(同15.6%増)
運輸業 351件(同43.8%増)
情報通信業 258件(同21.1%増)
サービス業他 2245件(同13.8%増)
倒産件数を地区別にみると、北陸と四国を除く7地区で前年度を上回った。
増加率が最も大きい北海道(前年度比48.6%増)は6年ぶりに前年度を上回った。このほか、中部(同25.3%増)が5年ぶり、東北(同15.6%増)と関東(同14.2%増)、近畿(同11.2%増)、中国(同19.6%増)、九州(同16.3%増)が3年ぶりに、それぞれ前年度を上回った。
【地区別倒産件数】
北海道 214件(前年度比48.6%増)
東北 332件(同15.6%増)
関東 2583件(同14.2%増)
中部 915件(同25.3%増)
北陸 145件(同7.0%減)
近畿 1734件(同11.2%増)
中国 280件(同19.6%増)
四国 115件(同9.4%減)
九州 562件(同16.3%増)