エッセンシャルワーカーとは、私たちが日常生活を送るうえで、必要不可欠な職業についている人々のことを指します。英語で「essential （エッセンシャル）」には「必要不可欠な、極めて必要」という意味があり、労働者を意味する「worker（ワーカー）」と組み合わせた言葉です。
エッセンシャルワーカーは新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、感染リスクと隣り合わせの現場で働く姿がニュースなどで注目されました。エッセンシャルワーカーを代表する職業には医療従事者である、医師や看護師があげられます。ただしエッセンシャルワーカーという職業に定義はないため、どの職業がエッセンシャルワーカーに該当するとは一概にいえません。人々が生活を送るうえで必要不可欠な職業についている人を、エッセンシャルワーカーと考えてよいでしょう。
〈エッセンシャルワーカーに当たる職業一覧〉
【医療分野】
医師、看護師、助産師、薬剤師、救急救命士、介護士、管理栄養士、医療品や医療器具の調達・物流を支えるサプライチューンに必要な人員など
【介護・保育】
介護士、ソーシャルワーカー、保育士、幼稚園教諭など
【生活インフラ】
電力、ガス、水道、通信、ごみ収集に関わる人員など
【運輸・物流】
公共交通機関（電車・バスなど）、郵便配達員、トラックの運転手など
【自治体】
公務員、行政サービスを維持するための人員など
【小売・販売】
スーパー、コンビニ、ドラッグストア、生活必需品の販売・製造に関わる人員など
【その他】
農業・林業・漁業などの一次産業に関わる労働者や、情報発信に関わるメディア・マスコミ、セキュリティに関わる人員もエッセンシャルワーカーに含まれます。
新型コロナウイルス感染拡大を機に、エッセンシャルワーカーの存在が重要視されるようになりました。一方で業務内容に見合わない待遇・賃金の低さなどが問題になり、エッセンシャルワーカーの人材不足という課題も浮かびました。またエッセンシャルワーカーに対する差別や偏見、SNS上での誹謗中傷なども課題のひとつです。 これらの課題解決のため、政府や企業がエッセンシャルワーカーに復職を促す、慰労金を支給するなどの動きが広まっています。私たち一人ひとりが、エッセンシャルワーカーへの敬意と理解を示すことが重要です。
