RPAとはロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)を省略した呼び方で、業務の効率化や生産性向上を実現させるテクノロジーです。RPAを活用すれば、一連の作業を自動化でき、これまで人が行っていたデータ登録やシステム管理などを代行させられます。RPAに事前に作業の手順を登録することで、システムやアプリケーションを人間と同じように操作可能になります。
RPAはITシステムと違い、一連の操作を登録するためにプログラミングを必要としません。プログラミングについて詳しくない人でも、RPAの操作パネルを開いて、自動化させたい操作を記録するだけで導入が可能です。またRPAは処理スピードが早く、複数のシステムやアプリケーションをまたぐ作業も正確に行います。RPAを導入すれば、業務の効率化や働き方改革にも効果的です。
ただしRPAは単純な繰り返し作業は得意でも、判断を伴う作業はできません。そのため作業中にトラブルが起きると処理できず停止してしまい、人の手で処理する必要があります。またRPAは登録された作業しか動作できないため、複雑な作業をさせるには人の手で工程をひとつずつ分解し、登録しなければなりません。RPAに作業を登録しておけば自動化できますが、そのためには人の手助けが絶対に必要になるのがRPAの弱点といえます。
操作を自動化するという点では、RPA以外にAI(Artificial Intelligence)とVBA(Visual Basic for Applications)もあげられます。AIとRPAの違いは、RPAは自分で判断できないのに対し、AIはコンピューターに蓄積された大量のデータを基に自分で判断して実行が可能です。VBAはExcelやPowerPointといった、マイクロソフトが提供するシステムを自動化するプログラミングシステムです。VBAはマイクロソフト以外のシステムには対応しませんが、RPAは広い範囲のシステムを自動化できます。
RPAは従来のシステム開発よりも比較的安価に導入でき、導入するまでに時間もかからないため、日本の自治体などでも導入が進み始めました。人材不足や長時間労働といった問題の解決策としても、RPAは注目されています。