MECE(ミーシー)とは、問題解決のためのフレームワークのひとつで、マーケティングやコンサルティング業界で広く用いられています。MECEは「Mutually Exclusive,Collectively Exhaustive」の頭字語で、日本語に訳すと「重複が無く網羅している」といった意味合いです。MECEを用いて問題をさまざまな要素に分解していきますが、分解した要素が互いに重複せず、そして必要な要素を漏れなく網羅していることを指します。
MECEの考え方は、とくにビジネス戦略や問題解決において重要です。たとえば、市場を分析する際、市場を地域、製品、需要などの観点から分解して分析します。分解した各要素が重複していないことで、全体像を正確に把握できます。また、組織内で情報共有を行う場合には、必要な情報を網羅しており、かつ冗長性がなく重複がない状態での共有が可能です。
MECEを用いることで、問題を重複なく網羅した要素に分解できます。これにより問題を把握することが容易になり、より効果的な解決策を構築できます。MECEは個人やチームが問題解決に取り組む場合にも有効です。
たとえば自己分析を行う際に、自分の強みや弱みを重複せず網羅した要素に分解することで、より深い自己分析が可能です。チームで問題解決やプロジェクトに取り組む際にも、目標やタスクを要素に分割することで、効果的な成果を生み出せるでしょう。
MECEをビジネスにおいて活用することには多くのメリットがありますが、その中でも最も大きなメリットは、主観的になりがちな思考に客観性をもたせ、論理的に整理できることです。何かを説明をする際に、対象に抜け漏れや重複があると、説得力が低下し、相手にスムーズに理解してもらえなくなってしまいます。しかし、MECEを使い論理を組み立てると、相手に納得してもえる強力な論理的展開を行えます。
ただし、MECEは問題解決のためのフレームワークのひとつであるため、MECE自体が問題解決の答えにはなりません。MECEを適切に適用するには、問題を正確に理解する必要があります。また、MECEを適用する際は分割した要素が網羅的で重複が無い状態であることを忘れずに確認しましょう。