ボラティリティ

ボラティリティ(Volatility)は、変動の度合いを示す言葉です。一般的に「ボラティリティが高い」というと、金融商品などの「価格変動幅が大きい(リスクが高い)」ことを意味し、「ボラティリティが小さい」というと「価格があまり変動しない(リスクが小さい)」ことを意味します。(ここでいう「リスク」とは「プラスの影響とマイナスの影響のどちらかを及ぼす可能性」という意味で、一般的な「危険(マイナスの影響)」という意味ではありません)

広義では、ボラティリティ=データ(数値)の散らばり具合を指すこともあります。その場合「ボラティリティが高い」という言葉は、「予測しづらい」という意味を内包することが特徴です。

ボラティリティには「ヒストリカルボラティリティ」と「インプライドボラティリティ」の2種類が存在します。

ヒストリカルボラティリティ(Historical Volatility・HV)とは、過去のデータを基に計算されたボラティリティです。日本語では、歴史的変動率と訳される場合もあります。ヒストリカルボラティリティは統計学でいうところの「シグマ(σ)」にあたり、一般的に「ボラティリティ」「変動率」という場合にはヒストリカルボラティリティを指していることが多いです。

それに対してインプライドボラティリティ(Implied Volatility・IV)とは、将来の変動を予測したボラティリティです。日本語では、予想変動率と訳される場合もあります。インプライドボラティリティは金融取引の世界で用いられることが多く、将来予測に対して取引するオプション取引の変動率は、インプライドボラティリティです。(一般的に金融取引におけるインプライドボラティリティは、ブラック・ショールズ・モデルを使って計算します)

ヒストリカルボラティリティ・インプライドボラティリティのどちらを用いるとしても、ボラティリティが大きければ大きいほど期待リターンのブレが大きくなる(リスクが大きくなる)ことを意味します。そのため、ビジネスの現場でボラティリティを意識する場合は、マイナスの方向に振れた場合のリスクヘッジを考えることが重要です。

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