【医療機器分野の中途採用】事業成長に直結するポジションに限らず、専門人材への需要が拡大

日本人材ニュース

エリメントHRC
清水 潤次 取締役

今年の医療機器業界では、循環器の「アブレーション・心房細動領域」新製品発売に伴う営業・マーケティング・フィールドサービスエンジニアの採用が目立ちました。加えて、低侵襲治療のロボット手術支援システム分野でも外資・内資を問わず積極的な採用が続いています。

特徴的なのは、事業成長に直結するポジションに限らず、薬事・品質保証、医療経済評価やデータドリブンなマーケティングを担う専門人材への需要が拡大している点です。

また、企業再編や新規事業立ち上げの動きがある中で、ミドルマネジメント層やエグゼクティブ層(事業部長・カントリーマネジャー等)を強化する求人も増加傾向にあります。

求職者側では、臨床現場との強固な関係構築ができる営業・マーケティング経験者が引き続き高い評価を受けていますが、採用が決まっている人材の特徴はそれだけに限りません。ミドル層では、チームマネジメント経験やP/L責任を担った経験が重視され、リーダーシップや部門横断の調整力を備えた人材が採用に結びつきやすい状況です。

さらにエグゼクティブ層では、グローバル本社とのリレーション構築や戦略遂行力が求められ、変革期における舵取りができる人材が選ばれています。異業界出身者でも、デジタルヘルスやコンサルティングのバックグラウンドを持つ候補者が経営企画や新規事業で採用される例が見られます。

企業が採用を成功させるためには、即戦力人材の確保だけでなく、中長期の事業成長を見据えた人材戦略が不可欠です。営業・技術に加え、薬事・品質・マーケティング・経営企画といった多領域で候補者プールを広げることが重要です。

また、ミドル層やエグゼクティブ層に対しては、職務内容の明確化や意思決定権限の範囲を具体的に示し、成長戦略に直結する役割を提示することが求められます。

採用競争が激しい環境下では、スピード感ある選考だけでなく、経営陣との直接的な対話機会を提供することで候補者の納得度を高めることが、最終的な成功につながるのではないでしょうか。

【関連記事】

PAGE TOP