【金融分野の中途採用】金融指標の為替、日経平均の改善で求人数は増加傾向

金融分野の中途採用

アンテロープキャリアコンサルティング
小倉 基弘 代表取締役

【PROFILE】上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て、建築関連の商社を設立。約7年の事業経営後、キャリア形成に関連する起業を目指して、人材エージェントにて4年間経験。2002年、アンテロープキャリアコンサルティングを設立。

2013年以降の景気の上昇トレンドが金融業界の中途採用動向にそのまま影響し、求人は徐々に増えてきています。求人数は、投資銀行/バイアウトファンドのフロント求人を100とするとアセットマネジメント80、不動産金融40、グローバルマーケット60です。

ただし、全体の有効求人倍率が1.15(2月時点)に対して、金融業界だけを見れば0.8に収まっているように、いまだ売り手市場とは言えず、プロフェッショナルポジションは即戦力、経験者採用がほとんどです。

求職者の9割以上は現職で、ジョブマーケットが弱い時期にはステップアップのタイミングを計っていて、求人数が増加したとみるや転職活動に入る、といったパターンが多くなっています。

投資銀行業務への求職者は日系大手証券会社から外資系投資銀行へという流れがあり、バイアウトファンドの求人へは同業もしくは投資銀行業務経験者からの応募が主流です。

不動産金融は一部、ディベロッパー、ゼネコン、鑑定事務所からの転向組も見られますが、やはり多くは同業からの転職になります。アセットマネジメント、グローバルマーケット分野は、ほぼ同業からの転職です。

金融業界のジョブマーケットは景気に敏感に反応します。特に金融指標の為替、日経平均の改善傾向が上記の背景となっています。また、日本への関心を再び高めつつある米系、欧州系ファンド等の採用意欲の増大、アジア系(中国、シンガポール等)ファンドの日本進出に際するチームビルディングも影響を及ぼしています。

現在の状況でプロフェッショナルファームが優秀な人材を獲得するためには、「給与水準、業界内のブランディングも含めた序列」、「ファームとしての実績(その組織で経験を積めるか)」、「組織構造、文化がフラットか(例えば、キャリーが全メンバーに配分されるか)」、「裁量権が広いか、面接プロセスが柔軟か(面接者は多くてもスピーディーにプロセスが進められているか)」などの要素を考慮する必要があります。

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小倉基弘

アンテロープキャリアコンサルティング 代表取締役/上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て、建築関連の商社を設立。約7年の事業経営後、キャリア形成に関連する起業を目指して、人材エージェントにて4年間経験。2002年、アンテロープキャリアコンサルティングを設立。

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