ギャップイヤーとは、大学の入学前や在学中、卒業後にある程度の期間を確保して、留学やボランティア、企業でのインターンなど社会活動に取り組むことを指します。日本ではまだ馴染みのない制度ではありますが、欧米などでは大学側がギャップイヤーを有意義に過ごすためのプログラムを用意しているケースもあります。
ギャップイヤーの期間に取り組むジャンルは、キャリアアップに関係することだけでなく人によってさまざまではありますが、未経験の学生に比べて多くの社会経験を積んでいるため、就業に対するモチベーションが強く、将来に対するビジョンが明確で、時間管理などのマネジメント力が優れている傾向にあります。就職活動では、ギャップイヤーでの体験が有利に働くケースが多く見受けられます。日本でも一部の大学でギャップイヤープログラムが実施されていますが、ギャップイヤー=ブランクと捉えている学生が多くいるのが現状で、新卒一括採用がおこなわれている日本ではまだ積極的に制度を活用する学生は少ないようです。
ギャップイヤーの制度の起源はイギリスですが、制度の利用は5%程度に止まっています。イギリスではギャップイヤーでの活動に大学は関与せず、ビジネスのためのサービスとしての傾向が強いため、学生への経済的な負担が大きくなっているからです。一方でアメリカやドイツでは大学や専門の機関がサポートをおこなっているため、全学生の2割〜3割はギャップイヤーを活用して社会活動に取り組んでいます。 ギャップイヤーは、まとまった時間を確保できる学生が大学入学前などに社会経験を積める良い機会です。社会での立ち回り方を実際に体験することで、大学での学びに主体的に取り組めるようになるため、就職活動でも自分の活動について自信をもってアピールすることができます。もちろん、活動をするためには資金が必要なため、アルバイトをしながら取り組む学生が多くいます。また、日本ではまだ浸透していないため、一部の企業では人と違った行動を取ることに嫌悪感を持たれる場合もあります。ギャップイヤーを就職に活かすためには、ギャップイヤーを利用した目的やそこで得られた体験などを丁寧に伝えることが大切です。