サクセッションプラン

サクセッションプランとは後継者育成計画の英語訳で、代表取締役やそのほか重要ポストに就いている役員などの後継者を育てることを目的とした取り組みのことを指します。事業運営に直結するポストへの就任を目指しているため、経営陣に入れるだけの素質を持った人材を選別し、適切に教育していく必要があります。欧米では2000年初頭から広がり始めた考え方で、日本でも後継者問題や若手リーダーの育成などの課題があるため、解決方法のひとつとして注目が集まり始めています。

サクセッションプランは後継者としてのポテンシャルを持った人材を選出して教育をおこなうため、通常の人材育成とは目的や主導する部署が異なります。通常の人材育成は、人事部が主導しながらプログラムを構築し、全社員のスキルアップやキャリアアップに取り組むなど、事業全体の底上げを目的としています。一方サクセッションプランでは、社長や経営陣が中心となり経営者として必要なスキルや知識を学べるプログラムを検討し、将来の経営を担える優秀な従業員に向けた特別教育を実施します。経営に関するスキルや知見を積み上げるには時間がかかるため、5年・10年といった長期スパンでの教育がなされることもサクセッションプランの特徴です。

サクセッションプランは長期的な教育プログラムになるため膨大な育成コストがかかりますが、組織の統制を取り業績を向上させる人材を生み出せるメリットがあり、優秀な人材の競争心を高めることで人材流出の防止などにもつながります。

サクセッションプランを導入する手順としては、まずは後継者育成に関する中長期的な計画を検討します。社長や役員など、どの階級のポストに就く人材が必要なのかを洗い出し、該当ポジションに必要なスキルや知識、資格などを育成項目として定めます。ポスト人材に必要な要件が揃ったら、具体的な候補者の選定をおこないます。推薦方式や選抜方式など選定のための手段は複数あるため、広く門戸を開き募集するのもおすすめです。候補者の選抜がある程度進んだら、個別の育成プログラムを構築します。突出したスキルはそのままのばし、経営陣として必要なスキルや知識は専門の教育機関を活用するなどして身につけていきます。定期的な進捗確認を実施しながら、着実な経営人材の教育をすすめます。

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