IFRS

IFRSとは、International Financial Reporting Standardsの略語で国際会計基準と訳され、アイファースやイファースと呼ばれています。EUを中心に130以上の国の会計基準として採用されていますが、米国や日本では導入が進んでおらず、自社での活用は任意となっています。IFRSの主な特徴としては、原則主義やBS重視であることが挙げられます。原則主義とは会計の原理原則に則っていれば各社で自由に解釈できるという方針です。自由度が高い分、注釈などで解釈を細かく明示する必要があります。また、IFRSでは会社の資産価値が重要視されているため、BS(貸借対照表)重視の会計基準となっています。

日本の会計基準との違いとしては、日本ではPL(損益計算書)が重視されている点が挙げられます。IFRSでは企業の財務体質が見られているため、BS(貸借対照表)が重視されています。一方、日本では事業から得られた収益がみられています。

IFRSを導入するメリットは、会計基準が世界標準となっているため管理が容易になることです。海外に子会社があり海外投資家に対して資金調達や企業買収の打診をするなど、海外とのやりとりが多い企業にとっては、情報交換やコミュニケーションを円滑におこなえるメリットがあります。デメリットとしては、事務負担やコストが増えてしまう点があります。日本では日本の基準での帳簿作成が求められるため、日本向けと海外向けに別々に対応しなくてはなりません。IFRSの帳簿を作成するためのシステム導入や教育体制を整える必要があります。また、自社のシステムや対応を整えると同時に監査費用やコンサル費用も重なることになるため、資金リソースを集中投下しなくてはなりません。

IFRSを導入する際の注意点は、会計基準が異なることへの対応を慎重におこなうことです。先述のとおりIFRSと日本の会計基準では異なる点が多く存在しているため、取引一つひとつに対して頭を切り替えて適切に対応していく必要があります。IFRSに最適化されたシステムへと変更するのはもちろんですが、それを適切に使いこなすための従業員教育も実施する必要があります。大掛かりな業務変更になるため、綿密な計画を立てて慎重に進めていくことが重要です。

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