Management by Belief (MBB)とは、創造的対話により会社にとっても意味のある業務上の目標を見出し、それを設定・実行していくことを指す目標管理制度のひとつです。簡単にいえば、個人や会社が抱く思いや価値観を共有し、これを実現するための目標設定を行うものです。日本語では、思いのマネジメントや信念による経営と表現されます。
MBBは、社員が自分自身の思いを持ち、それを実現するために行動することを重視しています。MBBを導入することで、MBO(Management By Object、成果主義)の効果を高められます。MBOの場合、従業員が自分で決めた目標を上司と話し合って設定していましたが、MBBでは、その設定過程に、従業員の個人的な価値観や考え方を加えることができます。
MBBは、従来の目標管理に代わる新しい経営手法として提唱されています。従来の目標管理に比べ、社員のモチベーションを高め、自己実現を促進することができます。また、個人や会社が抱く思いや価値観を共有し、これを実現するための目標設定を行うことで、組織をより良くし目標管理制度を補完することができます。
従業員の個人的な価値観や考え方を加えることで、目標達成に対する意欲を引き出し、目標達成率の向上も期待できるでしょう。さらに、MBBは「共通目的」をはじめ、「貢献意欲」や「意思疎通」という、組織成立において、必要不可欠な3つの要素を重視しており、組織力の向上にもつながります。 MBBとMBOは、目的が異なるため、使い分けが必要です。MBBは、社員が上司と対話して価値観を共有し、仕事やキャリアに対する自己のビジョンを明確にすることで、目標管理制度を補完するためのマネジメント方法です。一方、MBOは目標を設定し、その目標を達成するために必要なアクションを決定することに焦点を当てた目標管理を目的とする評価支援機能であり、目標設定、進捗管理、評価、報酬などを含む総合的な人事評価システムの一部として用いられます。どちらが優れているということはなく、MBBとMBOを両方導入することで、より質の高い目標管理を実現することができます。