圧迫面接とは、企業で実施される採用面接において、担当者が採用応募者に対して高圧的な印象を与える、答えにくい質問をするなどして、採用応募者の対応力やストレス耐性を見極める面接方法のことを指します。ストレスの多い社会の中に飛び込み、困難にぶつかってもうまく対処し、適切に我慢できるのかを確認し、自社で長く働ける人材かを検証する意図が圧迫面接にはあります。しかし近年はコンプライアンスについての世間の見方も厳しくなり、インターネットを介して悪い口コミが広がると企業の社会的な信用を落とすきっかけにもなるため、時代錯誤な面接手段と捉えられるケースも増えています。
圧迫面接は応募者への意地悪とみられることもありますが、応募者のことを深掘してより詳しく知りたい、必ずしも好意的な人ばかりではない社会に出る上で適切なコミュニケーションを取れるかどうかを確認したい、聞く人間の態度など多少のストレスを感じても質問の意図を捉えて答えられるかを見極めたい、といった意図が込められています。
ただし、企業によっては意図せず応募者に圧迫面接をしているような印象を与えてしまうこともあります。その理由としては、面接担当者の主観が入らないようにする目的、応募者本人の口にしていないことを想像で解釈しないようにする目的があり、しっかりと事実を確認するよう部署内のルールとして共有されていることがあるからです。その場合、正確に応募者の回答を確認するために、何度も「なぜ?」「理由は?」と投げかけてしまい、結果的に威圧的な印象を与えることがあります。圧迫面接は応募者の捉え方による部分が大きいため、企業側が意図しなくても、人によって圧迫面接と感じてしまう方もいます。
圧迫面接に対処する方法としては、担当者の態度など表面的な印象には目を向けず、投げかけられた質問に対して端的に分かりやすく回答することを心がけることです。圧迫面接かどうかの線引きは曖昧であるため、質疑応答に真摯に対応することが大切です。ただし、意見を全否定されたり怒鳴られたりするのは社会人としての常識を逸脱する行為でもありますから、その場ではスルーしつつ、次の選考に進むかどうかは応募者側で評価してもよいでしょう。