プロパーとは「正規の、本来の」という意味を表す言葉です。ビジネスでは、新卒で入社した正社員をプロパー社員と呼び、中途で採用された社員や出向している社員と区別するときに用いることが多いです。
自社で雇用している正社員と、非正規社員や派遣社員とを区別する意味でプロパー社員と表現することもあります。たとえば「プロパー社員と中途社員」と表現した場合は「新卒採用で入社した社員と中途社員」という意味になり、「プロパー社員と非正規社員」であれば「正社員と非正規雇用の社員」という意味になります。
プロパー社員は、会社に直接雇用されている社員なので愛社精神が強く、自社製品やサービスに誇りを持ち、会社の方針に従うことが多い傾向があります。また、新入社員研修に参加するため、他の社員と比べて会社の理念やビジョン、商品知識に詳しい点が強みといえます。
しかしながら、プロパー社員は同期入社や同じ正社員同士で構成されているため、固い連帯感を持っています。このため、プロパーではない社員がその連帯感を察知し、馴染みにくさや疎外感を感じることがあります。プロパー社員同士、仲がよいことは素晴らしいことですが、他の社員との間での摩擦を回避するためにも、注意が必要です。
プロパー社員は、「正社員と非正規雇用社員」や「新卒社員と中途社員」というように区別する単語です。差別的な意味合いで使われることもあり、文脈や相手によっては不快を感じることがあるため言葉の使い方に注意しましょう。
またプロパーという言葉には、分野や文脈によって異なる意味があります。特定の学問分野でプロパーという場合は、その分野の専門家を指します。たとえば、「心理学プロパー」という場合は、「心理学の専門家」または「心理学専攻の人」という意味があります。
流通分野でプロパー商品と表現した場合は、「自社独自のオリジナル商品」「定番商品」「正規ルートで流通している正規品」といった意味があります。アパレルの分野では、プロパー価格という表現があり「値下げをしていない正規価格の商品」を意味します。
このようにプロパーという単語には、文脈や業界によって幅広い意味があるため、適切なシーンでの使用が大切です。