ラポール

ラポールとは、心が通い合い相互に信頼できる関係性を持っている状態を表しています。語源はフランス語で橋を掛けることを意味するrapportから派生しており、カウンセリングなどで、セラピストがクライアントと心を通わすために、心理学に基づいた信頼構築手法としてもちいられています。お互いの関係性にラポールを構築することができれば、心の中で抱えている本心や悩みなどを引き出すことができるようになります。カウンセリングだけでなく、ビジネスシーンで顧客との信頼関係を構築するのに使われるほか、会社内で従業員同士のコミュニケーション、家庭内での家族との会話などにもラポールの考え方が取り入れられています。

ラポールを構築する手段の一つにミラーリングがあります。ミラーリングとは、鏡に映し出された映像のように、相手の仕草を真似ることです。人は共通点が多いほど親近感が得られ警戒が溶けていきます。この心理を応用し相手の仕草を真似ることで、自分に好意的に接してもらう狙いがあります。似たもの同士、夫婦が長年連れ添うと顔や性格が似てくるといった現象は、ミラーリングによりラポールが形成されたことが要因の一つとされています。

ラポールを上手に使いこなすことができれば、相手と信頼関係を構築することができますが、間違った使い方をすれば逆効果になってしまいますので注意が必要です。相手の仕草を真似るミラーリングですが、わざとらしくなんでもかんでも真似をしていると、相手に違和感や不快感を与えてしまう恐れがあります。ミラーリングは相手に無意識のうちに好意を持ってもらうためのスキルですので、ミラーリングをしていることが相手に分からないようさりげなく合わせていくことが大切です。

また、ラポールは良好な人間関係の構築を目指すものであるため、相手を否定するような言動は控えなければなりません。できるだけ短時間で効率的に信頼関係を作るのは理想的ではありますが、現実的には会って間もない人を信頼してもらうのは非常に難易度の高いものです。焦って無理やり相手の考え方を変えようとする、間違いや欠点を指摘すると、不信感を抱かせてしまいます。相手の気持ちに寄り添い、敬意を持って接することが大切です。

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