内省(ないせい)とは、自らの心と向き合い、自分の言動を省みることです。内省は英語で「reflection(リフレクション)」と表され、近年では外来語として日本でも定着しています。
内省(リフレクション)と聞くと「反省」という言葉を想起する方もいるかもしれませんが、内省と反省の意味は少し異なります。
反省にも「省みる」という行動がありますが、「過去への批判性を帯びて」省みることが特徴です。そのため、反省する場合は自らの弱点・欠点・ウィークポイントを探す傾向にあります。また、反省には「他者へ弁明するための行為」というニュアンスがあることもポイントです。
一方、内省の場合は、自分自身と向き合い、過去の自分を客観的に見つめなおすことが特徴です。そのため、内省にはポジティブな感情もネガティブな感情も伴いません。また、内省には他者は介在せず、自らの未来を良くすることだけが目的です。
近年、自ら成長するスキルとして「内省力」が注目されています。内省は自らと客観的に向き合い、未来の自分を良くしようとする行為です。そのため、内省する力を高めることは、自立心や成長意欲を高めることにつながります。また、マネジメント層が管理方法について内省することで、チームをまとめる能力を高めたり、ハラスメントを防止したりする効果も期待できるでしょう。
なお、代表的な内省方法として、2つのフレームワークが挙げられます。
- KDI法
- KPT法
KDI法は、「Keep:継続すること」「Discard:止めること」「Add:加えること(挑戦すること)」の3つの視点から内省する方法です。成功したことは続け、失敗したことはきっぱりと止めます。そして、挑戦することも決めることで、さらなる成長を目指します。
KPT法は、「Keep:継続すること」「Problem:問題点を探す」「Try:挑戦する」の3つの視点から内省する方法です。「継続」と「挑戦」はKDI法と同じですが、「Problem:問題点」については止めることも含めて、改善したり、ポジティブに捉えたり、千差万別に内省します。