サービスプロフィットチェーンとは、従業員の満足度とサービスの品質、顧客の満足度の因果関係をステップ分解し、それぞれを向上させることで企業収益を伸ばそうとするフレームワーク(考え方)です。サービス業などでは、従業員と顧客が直接対面してサービスや商品を届けるケースが多いです。従業員の満足度を向上させることが消費者の心を満たし、収益に繋がりやすくなるという論理がサービスプロフィットチェーンでは提唱されています。
サービスプロフィットチェーンは、7つの因果関係をステップごとに進めることで効果を最大限に発揮できます。第1段階は、従業員の満足度向上です。福利厚生の見直しなどを実施し、従業員へ提供するサービスを充実させます。第2段階は、従業員の帰属意識を高めます。良い企業で働いていることを実感してもらうことで、一体感のある組織づくりを目指します。第3段階は、モチベーションが向上することで従業員の生産性が高まります。やりがいをもって業務に取り組むことで、顧客へのサービスの品質も高まります。第4段階は、顧客の満足度向上です。サービスの品質改善が顧客にも伝わります。第5段階は、満足度が高くなった顧客からのリピート購入です。企業への信頼性が高まるため、商品やサービスの利用度が向上します。第6段階は、企業の収益向上です。商品やサービスの利用が増えれば、企業の売上や収益性が高まります。第7段階は従業員への還元です。
以上7つの段階が循環することで、企業と従業員、顧客がwinwinの関係が構築されます。
サービスプロフィットチェーンを導入する際は、従業員の幸せをイチから考えることが大切です。理由としては、サービスの品質向上や顧客満足度の改善、企業収益の創出は従業員の満足度に起因しているからです。従業員の現状についてアンケートを取るなどして情報収集し、報酬システムや職場環境の見直しから始めます。従業員は自分の仕事に満足をしているか、働きに見合った評価を受けているか、改善してほしい点がないかなど、いくつかのカテゴリに分けて従業員の本音を聞き出すようにしましょう。収益性を高めるためには顧客満足に目がいきがちですが、サービスや商品を届ける従業員の満足度を高めることこそが効果的な解決策となります。