人材サービス大手パーソルキャリアの調査によると、2024年に転職した人の平均年齢は32.7歳だった。男性、女性ともに2年連続で上昇した。（文：日本人材ニュース編集部）
2024年1月～12月の間に、パーソルキャリアの「dodaエージェントサービス」を利用して転職した人の平均年齢は32.7歳だった。男性が33.6歳、女性が31.2歳で2年連続で上昇した。
年代別割合では、「20代後半（25～29歳）」（36.7％）が最も高い。転職前の12の職種区分別に見ても、すべての職種で「20代後半（25～29歳）」が最も高く、「コンサルタント／不動産専門職」は「40代以上（40歳以上）」も同率でトップだった。
2023年に比べて、「30代後半（35～39歳）」（2023年12.7％→2024年13.0％）、「40代以上（40歳以上）」（2023年14.9％→2024年16.6％）の割合がアップしている。
35歳以上（「35～39歳」「40歳以上」）の割合が特に伸びた職種分類は「事務／アシスタント系」（2023年25.1％→2024年30.0％）、「素材／化学／食品系エンジニア」（2023年25.1％→2024年29.1％）、「販売／サービス系」（2023年18.3％→2024年21.4％）となっている。
doda編集長の桜井貴史氏は、「特に今回の調査では35歳以上の層の転職が活況でしたが、高度化する事業課題に対応するため、十分な知識・経験を持つミドル層を即戦力として求める企業が多くなっています」と解説している。
日本人材ニュースが企業の中途採用を支援する人材各社に対するアンケート調査においても、企業の採用ニーズとして、事業拡大や組織変革、新たな課題の解決に貢献できる高度専門人材が挙げられている。
「多言語対応や異文化理解に優れた経営層」（イーストウエストコンサルティング室松信子代表）、「サプライチェーン管理や国際法、貿易交渉に精通した人材」（キーンバウム ジャパン鈴木悦司社長）、「デジタル時代の事業変革を主導する部長以上」（繋 照沼貴大代表）、「AIや自動化技術を現場に取り入れるエンジニア」（キャリアビリティ雨宮佑揮社長）、「複雑化する健康課題に関する対応を担える人材」（プライマリー・アシスト石山知良社長）、「専門スキルに特化したスペシャリスト人材」（よきあす野呂田義尚代表）などの人材が争奪戦となっている。
人材獲得競争は激しさを増しているが、採用ミスマッチを防ぐために、求める人材像の明確化や採用プロセスの見直し、入社後の活躍支援を強化する企業も増えている。一人一人に求められる仕事のレベルは高まっており、採用のハードルを下げることは難しい。採用コストが膨らむ中、より効率的に人材を確保するための取り組みは欠かせない。
大手企業を中心に人材アセスメントを実施しているマネジメントサービスセンターの福田俊夫取締役は「入社後のアセスメント結果や仕事のパフォーマンスを見て『なぜこんな人を採用したのか』ということを防ぐために、採用時の人材要件を明確にしたり、属人的な採用面接のやり方を見直したいという相談が目立ちます」と話す。
転職市場は活況だが人材を採用できないために倒産する企業も出てきている。自社が必要とする人材から選ばれる企業になるためにも人材獲得に向けた持続的な取り組みが欠かせない。
転職サービス「doda」転職成功者の平均年齢調査の詳細はこちら
https://doda.jp/guide/age/
