【著者が語る】非合理な職場 あなたのロジカルシンキングはなぜ役に立たないのか

ヒトラボジェイピー

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永田 稔 代表取締役社長

本書を執筆したのは、ここ10年近く続くロジカルシンキングや論理思考のブームに警鐘を鳴らしたいということがきっかけです。私自身、人事コンサルタントになる以前は戦略系コンサルタントしてマッキンゼーで働いており、ロジカルシンキングの考え方をみっちり仕込まれました。また、かつての同僚や、ロジカルシンキングをビジネススクールで学んだ人を数多く見てきました。

特に、若い人の間では「ロジカルシンキングをマスター=優秀な人、ハイパフォーマー」という図式ができている感をしばしば感じます。確かに、ロジカルシンキングや論理思考はビジネスの必須スキルであることは間違いありません。

しかし、このスキルや思考方法をマスターしたからといって、ハイパフォーマーや優れた問題解決者になれるとは限らないのです。むしろ、スキルに頼りすぎることで職場や会社でうまく人を動かせず、人間関係を悪化させ自らのキャリアに傷をつける人が意外にも多いことに気づきました。

その原因は、「他の人も事実やロジックを正しく理解しているはず」「自分はロジカルに考えているので正しいはず」「他の人や組織はロジックを理解すれば正しい方向に動くはず」「人を動かすには金銭インセンティブが有効なはず」「自分の役割は正しい指示を出し続けること」などのロジカルシンキングをマスターした人が陥りがちな「罠」にはまってしまったためです。

これらの罠は気をつけないと知らず知らずに心の中に入りこみ、仕事力を低下させてしまいます。真の問題解決者やハイパフォーマーはこの罠を避けつつ、人間や組織が持つ「感情」面を十分理解し、ロジカルシンキングを使っているのです。

「人間が論理でなく感情に支配される」ことが近年の脳科学の進展で明らかになりつつあります。本書では、最新の脳科学や心理学の知見を紹介しつつ、職場におけるロジカルシンキングの効果的な使い方を紹介しています。

ヒトラボジェイピー

永田稔 著
日本経済新聞出版社、1,600円+税

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