ケイパビリティ

ケイパビリティ(capability)は、能力・才能・手腕といった意味があり、ビジネスシーンで使われるワードです。会社組織としての能力を指し、経営戦略の構成に必要な概念となります。

ケイパビリティは、従業員一人ひとりの能力を指すものではなく、あくまで会社全体でのプロセスの強みを意味します。また企業が抱える資産とも異なります。例えば所有している都心のビルという資産には依存せず、都心ビルならではのサービスなどを創造する能力のことです。

従来の経営戦略では、取り扱う商品の市場価値などを高めることが求められましたが、ケイパビリティは、組織の内面にある強みを活かして他社よりも優位にたつ、差別化を図ることを意味するため戦略の手法が異なります。事業の一連の流れには、開発から製造、販売、修繕などがあり、他社と比較してみて強みとなる部分がケイパビリティです。

同じ業界であっても企業によって市場で勝つためのケイパビリティは異なります。例えば同じ家電であっても、新しい生活スタイルの提案や、徹底的なカスタマーサービス、スピーディかつ低価格での商品提供など、企業が提供するケイパビリティは多種多様です。

またケイパビリティと密接な関係を持つ、「コアコンピタンス」というビジネスワードがあります。コアコンピタンスは、技術力や製造力など特定の能力を指します。能力を指すことは類似していますが、事業のプロセスの能力や強みを指すケイパビリティとは意味が異なります。

企業が独自に打ち出すケイパビリティのポイントは、ニーズにマッチしていることです。さらにニーズは日々変化するということも念頭に置かなければなりません。他社との差別化を図るため、オリジナリティのあるケイパビリティであれば効果的といえます。すでに他社に備わっているような能力では、競争して優位にたつことが難しく成果が得られにくいでしょう。 ケイパビリティを強化することは、他社との差別化を図り競争に勝ち残る企業の武器となります。目に見える製品は模倣も簡単ですが、外部から見えづらいケイパビリティは模倣されにくいのです。例えば人材リソースの教育や流通網の管理方法が優れていても、どのような手法を取り入れているのか他社からは見えづらく、同じように取り入れようとしても時間を要します。そのため、ケイパビリティを構築すれば企業の能力となり資産になります。

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