RJPとは、求職者に対して就業内容や就業環境に関するリアルな情報を、企業が事前に開示すること指すビジネス用語です。Realistic Job Preview(リアリスティックジョブプレビュー)の頭文字をとった略語で、アメリカの産業心理学者ジョン・ワナウスによって提唱されました。
RJPは企業のポジティブな面だけでなく、ネガティブな面を含めて情報を開示することで、求職者とのミスマッチを防ぎ、早期離職を低下させる手法として注目されています。人材採用の質を高め、人材の定着率アップを目的としています。ガティブな情報開示によって応募数が減少するリスクはあるものの、企業にマッチした応募者が集まりやすく、選考する時間や手間などをコストカットできるメリットもあります。
RJPには、スクリーニング効果、ワクチン効果、コミットメント効果、役割明確化効果といった4つの効果があります。
1.スクリーニング効果は、求職者がリアルな情報を得られることで、求職者自らが企業との適合性を判断できます。
2.ワクチン効果は、就業内容や環境に対する過度な期待を抑制し、入社後のギャップによる失望感を防止します。
3.コミットメント効果は、企業のネガティブな面を正直に公開することで、信頼できる企業であることをアピールできます。
4.役割明確化効果は、求職者が必要とされている役割を明確化し、入社後にその業務を遂行できることによって、仕事に対するやりがいを感じられるようになります。
RJPの注意点は、採用担当者と現場担当者が、就業内容や環境に対して同じ認識を持つことです。必要とするスキルやその難易度、職場の人間関係など些細なことでも、リアルな情報開示をすることが求職者にとっては大切です。現場側が情報を提供し採用側が認識のずれなく理解できるよう、それぞれが連携を図る必要があります。求職者にとっては入社後の心づもりができ、チャレンジしてみたいというモチベーションにつながります。
企業にとってネガティブな情報開示には抵抗があるかもしれませんが、早期の離職者が増えれば結果的に採用と雇用の安定化が望めません。RJPを導入することで採用のミスマッチを防ぎ、企業成長を期待できるといえます。