オフショアリングとは、業務の一部やすべてを、海外にある子会社や企業に委託することです。日本よりも人件費や物価が安い海外に委託することで、人件費や諸経費のコストカットが望めます。日本だけでなく、アメリカなど先進国を筆頭に取り入れられている手法です。
オフショアリングが多くの企業で取り入れるようになった背景には、人材確保の課題があります。日本は人材不足が課題となっており、今後もその課題が解決される期待は低いといえます。そのためもともとの狙いであったコストカットの面だけでなく、労働力の確保の面からもオフショリングは注目されています。
オフショアリングの具体的な方法としては、大きく2種が挙げられます。まずは海外にある企業に業務を委託する方法です。業務のプロセスを自社で管理することはなく、現地の企業に一任するため、就業場所や人材を確保する必要もありません。しかし一度委託した業務を途中で追加や変更することが難しく、自由度がないといったデメリットがあります。
もうひとつは、現地に自社の法人を設立する方法です。業務のプロセスを自社で行うため、必要な設備や人材育成など管理する必要があります。初期投資や手間はかかりますが、自由度が高く有能な人材を確保できるといったメリットがあります。
オフショアリングを導入している業界は、生産系・デスクワーク系・IT開発系の主に3つです。生産系業務は、工場での製造業務です。製造工程の定型化された業務であれば、問題なく現地スタッフでも作業が可能です。デスクワーク系業務は、データ入力などのバックオフィス業務やコールセンター業務があります。コールセンター業務は、海外のクライアントであるケースや、現地に移住している日本人を雇うケースもあるため言語問題の心配がありません。そしてIT開発系業務は、WEBシステムやアプリなどIT業務の開発です。IT業界の需要が高まっている反面、IT技術者が不足している要因が重なり、オフショアリングを行う企業が増加中です。
オフショアリングはコストカットや、労働力の確保といったメリットがある反面、ビジネス文化や言葉の違いなどにより失敗するリスクも潜んでいます。そのため失敗事例などを学んで対応策を練ることが、オフショアリングを成功させるポイントとなります。