トランスファラブルスキルとは、別の職種や業種での応用可能なスキルのことをいいます。職種や業種を問わず多方面で活用できるスキルで、直訳すると「移動できるスキル」という意味となります。
とくに未経験の職種や業種へ転職する際には、これまでの経験を活かすためトランスファラブルスキルをアピールすると効果的です。
反対に優秀なスキルを兼ね備えていても、トランスファラブルスキルを活用できなければ、採用担当者からは未経験者として見られる部分が多くなります。転職による年収ダウンや、前職よりも悪条件での勤務になるなど、有効な転職には結びつきません。
20代の若年層であればチャレンジ精神などをアピールすることで補えますが、ある程度の社会経験が問われる30代や、マネジメントスキルが養われていることの多くなる40代は、勤務年数に応じたトランスファラブルスキルをアピールすることが必要です。
トランスファラブルスキルの例として、コミュニケーション能力、問題解決能力、リーダーシップなどが挙げられます。
コミュニケーション能力は、どの職種や業種でも必要になることが多いスキルです。意思や意見を適切に伝えられ傾聴力があるだけでなく、表情や姿勢に好感をもてるかなど、採用担当者に対して面接でもアピールしやすいポイントとなります。
また問題解決能力においては、与えられた仕事をこなすだけでなく、自分で気付き改善する仕事への意欲にもつながるスキルです。問題解決のための具体策は、新たな転職先でも応用できる可能性が高いです。
リーダ-シップは自身だけではなく、周囲を巻き込む必要があるため、兼ね備えていれば業種・職種問わずに重宝されます。
企業にとって、人材の確保には多くの手間とコストがかかります。人材の成長も同様に、長い時間と労力をかけて育成していかなければなりません。自社内で応用できるか、求職者のトランスファラブルスキルを見抜くことも、企業の採用担当者には求められるといえます。高度なスキルを兼ね備えていても、基本的なトランスファラブルスキルが備わっていなければ、能力を活かしづらく成果にもつながらない可能性があります。
トランスファラブルスキルはビジネスパーソンとして汎用性の高いスキルであり、企業にとっても見逃せないポイントといえます。