中小企業の女性管理職比率、30%以上の企業は約1割

政府が掲げる女性管理職比率「30%以上」をクリアした中小企業は約1割となっていることが、人材総合サービスを手掛けるエン・ジャパン(東京・新宿、鈴木孝二社長)が実施した、中小企業350社に聞いた「企業の女性活躍推進」に関する実態調査レポート2023年度版で明らかとなった。

従業員数300名以下の企業の人事担当者を対象に、女性管理職比率を聞くと、63%の中小企業が「5%以下」と回答した。政府が掲げる目標である「30%以上」と回答した企業は12%に留まった。

【女性管理職比率はどのくらいですか?】
5%以下 63%
6~10%  9%
11~20% 9%
21~30% 6%
31~40% 4%
41~50% 4%
51%以上 4%
わからない 1%

女性活躍推進法に関する各種義務化について、対応状況を聞くと「すでに必要な対応が完了」と回答した企業は8%だった。

「すでに必要な対応が完了」、「現在取り組んでる最中」と回答した企業に、取り組んだことで良かったことを聞くと、上位は「企業のイメージアップにつながった」(28%)、「産休・育休取得者が増えた」「職場風土の改善につながった」(同率24%)などとなった。

その他と回答した企業は、「現在取り組んでいる最中なのでまだわからない」という回答が大半だった。

【女性活躍推進法に関する各種義務化に取り組んだことで良かったこと】(複数選択可)
企業のイメージアップにつながった 28%
産休・育休取得者が増えた     24%
職場風土の改善につながった    24%
フレックスやテレワークなど働き方の選択肢が増えた 21%
柔軟な働き方に伴うキャリアプランが増えた 17%
経営者、管理職の意識が向上した  17%
優秀な人材の確保につながった   15%
長時間残業の削減につながった   11%
離職率が下がった         8%
その他              18%

女性社員の活躍推進に対して、課題と感じることを聞くと、トップは「社内に女性のロールモデルがいない(少ない)」、「女性社員の意識」(ともに45%)だった。

今後の課題についてエン・ジャパンは「中小企業の人事担当者は、管理職や経営層の意識よりも、女性社員自身の意識を課題として感じている人が多い印象」と指摘した。

【女性社員の活躍推進に対して、課題と感じること トップ5】(複数選択可)
社内に女性のロールモデルがいない(少ない) 45%
女性社員の意識 45%
管理職の意識 36%
経営層の意識 35%
(育児中の場合)勤務時間 27%

調査は、2023年2月15日~3月14日、人事担当者向け情報サイト「人事のミカタ」を利用する従業員数300人以下の企業を対象にインターネットで実施し、353社の有効回答を得た。

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