キャリアパス

キャリアパスは英語の「career path」に由来した言葉で「career」は経歴や職業を意味し「path」は人の歩くべき道、進路、コースを意味します。最近はビジネス用語として使われることが多く、企業の中でどのような仕事をして経験を積みどこを到達点とするのかといった「道筋」をキャリアパスと呼びます。

キャリアパスと似た用語に「キャリアデザイン」、「キャリアプラン」、「キャリアアップ」があります。キャリアデザインやキャリアプランは個人的な観点から将来の目標に向けて転職や独立も視野に入れながら計画を立てることで、特にキャリアデザインは仕事に限らずプライベートまで含む人生全体を考えたものです。キャリアアップは特定の分野で専門的な知識を身につけ能力を磨くことによって経歴を高めることをいいますが、そのためには会社を退職する場合もあり「転職でキャリアアップする」などと用います。

終身雇用が一般的だった時代からキャリアアップするために転職する時代へと変化するなか、企業にとって社員の離職防止が課題となりました。キャリアパスは主に企業側が社員や新規採用者に向けて、自社のなかでキャリアアップするように促すのが特徴です。業務の多様化で自分の進むべき方向性が見えづらくなり将来像を掴めない社員に対して、どの部署でどのような業務をどれくらいの期間務めれば昇進につながるのか、モデルケースを明確に提示するのがキャリアパス制度です。

キャリアパス制度によって採用活動の段階から入社後にどうやって活躍できるかをイメージしてもらうことが可能になり、新規採用者が描いたキャリアプランとのミスマッチから失望して早期退職することを防止できます。また社員のモチベーションを高めることにより業績がアップすれば離職率の低下にもつながります。 ただしキャリアパス制度で示したものと社員の描く将来像が乖離してしまうと、逆にモチベーションが低下しかねません。そのためキャリアパス制度を導入するには「人事評価・ランク・給与」を明確にした等級制度の構築や理解を深めるために研修制度を取り入れて社員の納得性を高め、キャリアパスを提示したあとも面談などで継続的にフォローすることが必要です。

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