モラール(morale)とは日本語訳では士気となり、近年のビジネスにおいては、職場の士気や就労意欲という意味合いで用いられています。モラール(morale)と発音が似ているモラル(moral)には、道徳・倫理という意味があります。発音だけではなく意味合いも似ているため、職場の士気を意味するモラール(morale)と、職場の道徳を意味するモラル(moral)が混同されることもしばしばあります。それぞれを明確に分けて意味を覚えておかなければ、目標に掲げたり改善に取り組んだりする場合に、方向性に誤りが生じるため注意が必要です。
またモラールは職場の士気を意味するため、モチベーションとも混同されます。同じような意味合いですが、モチベーションはどちらかといえば個人に向けて使われます。モラールは職場全体や集団に向けられており、団結や結束する意味合いも含まれます。そのため対象となるものが、個人なのか集団なのかが異なる点に注意が必要です。
モラールを向上するにはチームリーダーの存在が欠かせず、モラールの向上や低下を大きく左右します。リーダーはメンバー個人と向き合いながらも、チーム力といった集団をとりまとめる能力が必要です。モラールによい影響を与えるリーダーは、自らがお手本となるようにモチベーションを高くもって仕事に取り組む姿勢が大切です。周囲を巻き込みながらプラスの方向へと導いていくのです。自ら積極的な声かけをおこなうことや、不安や疑問を抱いている人がいないか配慮するなどし、円滑なコミュニケーションを目指します。
雰囲気が悪い環境では発言や質問もしにくくなり、モラールは低下していきます。チームメンバーみんなが活発なコミュニケーションをとれれば気持ちよく就業でき、一人で困って業務が停滞することはなくなります。
モラールはリーダーの存在で左右される部分もありますが、会社全体でモラール向上へと取り組み、就業環境や就業条件を見直していくことも必要です。適切なワークライフバランスを望めるよう環境を整備することや、給与や福利厚生の改善といった点も大きな影響を与えます。さらにチーム力アップの狙いとしての取り組みやリーダーの人材育成も必要です。