パワーカップルとは、夫婦共に高収入で影響力のある仕事をしているカップルのことです。パワーカップルには明確な定義がなく、夫婦年収の合計が1,000万円、または2,000万円と考えられることもあれば、夫婦共に年収700万円以上の世帯と考えられていることもあるようです。パワーカップルは、消費活動に強い関心を持ち、高額の不動産や金融商品などの営業ターゲットとして注目されています。
「パワーカップル」が増加している理由のひとつは、女性の社会進出が一般化していることです。フルタイムでの共働きをする夫婦はあまり珍しくありません。また、仕事と家庭を両立しやすい環境が整備されつつあることや、社会情勢の変化に伴い多様な価値観が生まれたことも背景に挙げられます。
パワーカップルのメリットは、構造上、税制や社会保障負担で優遇され、手取りの所得が多くなること、趣味や子どもに対してお金をかけられること、夫婦共に仕事にやりがいを感じることで、精神的な充実感や自信も得られるといった点が、メリットといえます。
一方、パワーカップルのデメリットとしては、仕事が忙しくて時間がないことや、家事や子育て、夫婦のコミュニケーションなどに時間を割くことが難しいといった点が挙げられます。また、保育園や学校の行事、宿題などに対応するのが大変で、子どもとの関わり方に悩むこともあるようです。
夫婦でそれぞれ収入を持っているため、家計簿や貯金、投資などのお金の管理が複雑になり、お金の使い方や分け方を決める必要がある点も、デメリットといえそうです。高収入だからといって浪費癖をつけてしまうと、将来への備えができなくなる恐れもあります。実際、パワーカップルは貯蓄を気にせず、お金を使ってしまいがちな傾向があるという統計もあるようです。
とはいえ、「夫婦間のコミュニケーションが減ってしまう」、「子育てや家事の負担が大きくなる」といったことは、パワーカップルだけに発生するデメリットではなく、共働き世帯であれば、どの家庭でも起こりうるデメリットといえるでしょう。したがって、パートナーと普段から家事分担やお金の使い方について話し合っておくことが肝心です。
