リストラとは「リストラクチャリング(Restructuring)」の略で、日本においては主に人員削減(整理解雇)の意味で使われています。
本来、リストラとは「再構築」を意味しており、人員削減を含めて企業が経営改善するあらゆる手法を含む言葉です。そのため、吸収合併や子会社再編、不採算事業からの撤退、希望退職者の募集などもリストラといえます。ただし、一般的にリストラという場合は、ダウンサイジングに伴う解雇を意味しています。
リストラは経営悪化によって、企業側の都合によって従業員を解雇することです。リストラによる解雇は「整理解雇」と区分されます。
解雇区分には懲戒解雇・普通解雇・整理解雇の3種類があります。
懲戒解雇は、従業員の不祥事(悪質な規律違反や非行)に伴う解雇です。就業規則や服務規程などで定められている場合に実施できます。
普通解雇は懲戒解雇・整理解雇以外の解雇で、労働契約を続けることが困難な場合に実施されます。たとえば、勤務成績が著しく悪い場合や、指導措置後の改善が見込めない場合、心身の故障で職場復帰が難しい場合などです。ただし、普通解雇を行うためには一定の要件を満たす必要があり、「客観的かつ合理的な理由」がないと不当解雇となってしまいます。
整理解雇(一般的に言うリストラ)は、経営不振による人員削減に伴う解雇です。整理解雇を行うためには、次の4要件を満たす必要があるとされています。
●客観的な必要性がある
●解雇しないための努力を最大限実施した
●解雇対象者の選別が合理的に行われている
●企業側と労働者側で十分な協議が行われた
日本は終身雇用・年功序列型の制度が基となった社会のため、整理解雇を行うためには厳しい条件が設けられています。また、労働契約法第16条では客観的かつ合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められない場合は解雇できないと定められています。そのため、整理解雇(リストラ)は簡単には行えません。
また、リストラと似た言葉に「レイオフ」があります。レイオフは再雇用条件付の一時的な解雇のことで、大規模な雇用調整です。リストラが単純な解雇を指すのに対し、レイオフは再雇用が前提になっていることが特徴です。