ROE

ROEはReturn on Equityの略語で、日本語では自己資本利益率・株主資本利益率と訳されます。企業が効率的に収益を上げられているかを示す財務指標のひとつで、その企業に投資する価値があるかを判断するのに使われます。

ROE(自己資本利益率)は、株主が投資した資金に対して企業がどれだけ利益を出しているかが分かる数値であるため、多くの投資家が注目しています。ROE(自己資本利益率)の数値が高いと、収益性の高い企業であることを意味します。ROE(自己資本利益率)が低いと効率的なビジネスができていないため、改善すべき課題を抱えている企業であると推測できます。

ROE(自己資本利益率)は、自己資本に対する収益をパーセントで表示されます。10%を超えると収益性の高い優良な企業と判断できます。日本企業のROE(自己資本利益率)の平均は、5〜10%といわれ、株式投資で投資先を決める際の判断材料のひとつになります。ただし、ROE(自己資本利益率)が10%だから積極的に投資する価値のある企業、5%だから投資する価値のない企業とは一概にはいえません。実際に投資を決める際は、ROE(自己資本利益率)を含めた総合的な判断が求められます。

ROE(自己資本利益率)の計算方法は、<当期純利益率/自己資本×100>によって求められます。当期純利益は年間売上からすべての費用や税金を差し引いて残る利益のことで、自己資本は借入金などの他人資本とは別の純資産から新株予約券や少数株主持分を差し引いた資本のことを指しています。

ROE(自己資本利益率)が高まる要因としては、企業の利益が増加もしくは自己資本の減少があります。利益の減少や自己資本が増加すると、ROE(自己資本利益率)の数値は低くなります。

ROE(自己資本利益率)が10%と高い数値を示しても、100%投資価値のある企業といえない理由は、借入によって実態よりも高い数値が出てしまうからです。純利益1億円で資本金10億円ならROE(自己資本利益率)は10%となりますが、借入金が9億円で資本金の大部分が借金である場合、資金が返ってくるのか不安になる投資家も出てくることでしょう。ROE(自己資本利益率)だけを投資実行の根拠とせず、多面的な分析が大切です。

ROEと似た言葉に、ROA(総資本利益率)があります。ROA(総資本利益率)は負債を含めた純資産に対する収益率を示す指標であり、ROA(総資本利益率)とともに重要な指標として企業分析に利用されています。

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