サテライトオフィスとは、企業の本拠地とは違う場所に設置する小規模なオフィスのことをいいます。本拠地を中心に衛生(サテライト)のように、オフィスが点在することからサテライトオフィスと命名されました。本社とは別に構えるオフィスには「支社」もありますが、支社は業務を進めることが目的で設置されるため、オフィスに本拠地と同等の機能を保持しています。一方サテライトオフィスは、さまざまな働き方に対応するために設置するオフィスのため、必要最低限の機能しか保持しないのが特徴です。
企業が本拠地とは別にサテライトオフィスを設置する理由は、さまざまな働き方に対応するため、移動コストの削減、BCP(事業継続計画)対策のためなどです。BCP(事業継続計画)対策とは、自然災害や火災といった緊急事態が起きたときでも、事業を継続・早期復旧させるための計画のことを指します。本拠地とサテライトオフィスの両方でデータ管理などを行っていれば、仮に本拠地が火災にあったとしてもデータ消失のリスク分散が可能です。
サテライトオフィスが注目されるようになった背景には、働き方改革の施行により柔軟な働き方が求められるようになったことがあります。また新型コロナウイルスの流行により、多くの企業でテレワークが進められたことも、サテライトオフィスが注目されるようになった理由です。
本拠地とは別にサテライトオフィスを設ければ、通勤ラッシュ時の満員電車を避けられ、感染対策につながります。さらに都市部に本拠地をおく企業が、地方にサテライトオフィスを設置した場合、地方にいる優秀な人材を確保できるメリットがあります。地方に拠点をおくことでビジネス拡大にもつながり、地方創生への貢献にも効果的です。
しかし本社や支社とは別にサテライトオフィスを設置した場合、細かな業務連絡がしづらい、セキュリティに問題が生じるといった問題点もあります。本拠地と離れる分、円滑なコミュニケーションが取りづらくなるため、齟齬がないようこれまで以上に注意しなければなりません。
また他社と共用のサテライトオフィスであれば、人の出入りが多いため、情報漏洩などセキュリティ性を保持する必要もあります。とはいえ、これらのデメリットを踏まえたとしても、サテライトオフィスは多様な働き方を可能にする施設として注目されています。