さとり世代

さとり世代とは、一般的に1980年代後半~2000年代初頭に生まれた世代とされます。インターネット上の匿名掲示板や動画配信コミュニティサイトから広まったといわれ、2013年の「新語・流行語大賞」にノミネートされたことで知名度が高まりました。またゆとり世代の次世代として知られます。

偏差値重視の詰め込み教育が疑問視されたことを受けて、ゆとりのある教育(いわゆる“ゆとり教育”)を目指して教育指導要綱の改訂により2002年度から完全学校週5日制が実施されました。そのため2002年~2011年の間に義務教育を受けた世代、つまり1987年4月2日~2004年4月1日生まれは「ゆとり世代」と呼ばれます。しかしゆとり教育が学力低下を招いたとされ、2011年以降は“脱ゆとり教育”に方針を転換します。ゆとり世代後期に重なって“脱ゆとり教育”を受けた世代(1998年以降の生まれ)を「さとり世代」とするのが通説です。

ゆとり世代は個性を尊重するためプライベートを大切にして、柔軟な発想をする反面、メンタルが繊細でストレスに弱いのが特徴といわれます。一方、さとり世代は子どもの頃からインターネットやパソコン、携帯電話に触れた「デジタルネイティブ」で、実用性を重視してコストパフォーマンスを追究する傾向にあります。高級ブランドによるステータスを求めないのが特徴で、競争意識が低く人と衝突することを避けて良好な人間関係を望む傾向にあるといれます。

2013年にはさとり世代を題材にした漫画作品が登場するなど、就職戦線でも注目されるようになりました。企業におけるさとり世代との接し方として「プライベートを大切にするので飲み会などを断ったらしつこく誘わない」、「精神論は通用せず、感情的なことを嫌い怒られるとやる気をなくす傾向にあるが、成功例などを理論的に話すと興味を持つ」、「出世や昇給をモチベーションとせず、社会的な貢献に価値観を見出すため、そうした達成感を経験すれば自発的に頑張る」といったことに着目することが大切です。

「ゆとり世代」や「さとり世代」と一括りにすることが適切とは限りませんが、その世代が育った時代背景とともに思考や行動の傾向が変化している可能性は否めません。企業だけでなく社会的にもそれを理解したうえでコミュニケーションをとることは有効と思われます。

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