アベノミクス

アベノミクスとは2012年、自民党総裁に復帰して12月に第96代内閣総理大臣に選出された安倍晋三氏(2022年7月8日逝去、享年67)による第2次安倍内閣が打ち出した経済政策を表わす言葉です。1980年代にアメリカのレーガン政権がとった自由主義経済政策「レーガノミクス」に倣って「安部」と「エコノミクス」を合わせた造語で、マスメディアなどが「アベノミクス」と用いたことにより広く知られるようになりました。

『首相官邸』ホームページによると、当時の安倍政権は「どれだけ真面目に働いても暮らしがよくならない」という経済的な課題を克服するために「デフレ(物価が持続的に下落する状態のこと)からの脱却」と「富の拡大」を目指して経済政策を打ち出しました。アベノミクス「3本の矢」とは「第1の矢・大胆な金融政策(金融緩和により流通するお金の量を増やし、デフレマインドを払拭)、「第2の矢・機動的な財政政策(約10兆円規模の経済対策予算により需要を創出)、「第3の矢・民間投資を喚起する成長戦略(規制緩和などにより、民間企業や個人が真の実力を発揮できる社会へ)」というものです(『首相官邸』ホームページ「アベノミクス・3本の矢」より)。

「第1の矢」の金融緩和によって株価が上昇するなど経済成長がみられ、企業の業績アップや雇用増加につながった点は評価されました。しかし、財政出動や金融緩和は一時的なものに過ぎないという声や、2014年4月と2019年10月の2回にわたり消費税を引き上げたことによる景気への影響を指摘する声も少なくありません。

安倍晋三首相は2015年9月にアベノミクスの第2ステージとしていわゆる「新3本の矢」を示しました。「新第1の矢・希望を生み出す強い経済(GDP600兆円)」、「新第2の矢・夢を紡ぐ子育て支援(出生率1.8)」、「新第3の矢・安心につながる社会保障(介護離職ゼロ)」というものでした。 安倍氏が2020年8月に辞意を表明した後、同年9月に発足した菅義偉内閣はアベノミクスを継承しましたが、2021年10月に誕生した岸田文雄内閣は「新しい資本主義」を経済政策に掲げておりアベノミクスをどのように反映させるか注目されています。

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