タスクフォースとは緊急の課題(イレギュラーなトラブル)を解決するために、臨時に編成されるチームです。タスクフォース(Task Force)は元々軍事用語で、特別な任務(タスク)を実行するために編成される「機動部隊」のことを指します。軍事用語から転じて、特別な目的を果たすために、特に臨時で編成される社内チームを「タスクフォース」と呼ぶようになりました。
タスクフォースは臨時編成のチームなので、通常時の部署を飛び越えて人選されます。たとえば「会社の収益性を向上させる新商品を四半期中に開発する」という目的であれば、開発部、営業部、品質管理部などの部署からスタッフが集められるでしょう。
また、「年度末までに全社的な固定費を10%削減する」という目的であれば、現場部門(プロフィットセンター)からバックオフィス部門(コストセンター)まで、全部署のスタッフが招集されるかもしれません。このように、普段は一緒に仕事をしないメンバーが、与えられた任務を達成するために、ひとつのチームとして行動することがタスクフォースの特徴です。なお、タスクフォースは臨時チームなので、目的を達成したら解散します。
タスクフォースと似た言葉に「プロジェクトチーム(Project Team)」があります。プロジェクトチームも特定の目的(プロジェクト)を達成するために編成される組織です。しかし、タスクフォースとプロジェクトチームは、任務を達成するための期間(スパン)に違いがあります。
タスクフォースは、比較的短期間で任務を終える前提のチームです。そのため「四半期中に」「今年度中に」といった期間設定がされます。「緊急性」「臨時」という点が、タスクフォースの特徴です。一方、プロジェクトチームは、中長期的な視点も求められます。「数年後までに」といった時間軸で動く場合は、プロジェクトチームという名前が用いられることが多いでしょう。
ただし、近年では「タスクフォース」と「プロジェクトチーム」はほとんど同義として使われることもあります。また、「ワーキンググループ」や「ワーキングチーム」といった言葉も、タスクフォース同様に臨時編成されるチーム名として定着しています。
それぞれの用語に明確な定義はないため、自社の文化に合った名称を用いて問題ありません。ただし、いずれも臨時に編成されるチームのため、予め「チーム編成の目的」を共通認識として持っておくとよいでしょう。