セールスキャリアエージェント
亀田 昌吾 執行役員
2022年は若手のポテンシャル採用が中心になると想定できるでしょう。21年初旬までは景況感の悪化で戦力性が高い人材の採用が目立ちましたが、景況感の回復に伴い、採用を行わなかった若手採用を反発的に行っている背景があります。
東京都の有効求人倍率で営業系を見ると、コロナ禍による全体の冷え込みと同波形を描きながらもそこまで大きな下げ幅をつけることなく、コロナの影響を受けつつも採用を続けていたことがうかがえます。
また、採用されている年齢の低下が見られます。転職サービス「doda」のデータによると、営業系では21年度は25 ~29歳の転職割合が前年比1.7ポイントアップし、逆に35歳以上のミドル層は大きく数値を下げています。
営業系は20代の転職成功者割合が50%を超えており、それ以外の職種に比べて圧倒的に若手採用に舵を切っていることが見受けられます。08年の調査以降、全体的に見れば転職成功者の年齢は徐々に上昇していますが、営業職は若手が採用されるという点が、21年度以降続くトレンドになっているのは間違いない状況です。
転職志望者は19年以前に比べてリスク回避の意向が上がっているようです。パーソル総合研究所の調べでは、今後のキャリア選択で専門的なスキルを身につけたいという意思を持つ人が増えています。
兼業/副業したいという意向の人も多く、以前非常に多く見られた独立/起業を考えるを選んだ人に対し3倍です。背景には全体的な可処分所得の減少、コロナ禍による自社の経営不安が色濃く存在しています。
営業系採用では各社が若手に舵を切っていることを認識する必要があり、若手にとってどのような点が魅力的かを前面に押し出すことが求められるでしょう。
「専門スキル・マネジメントスキルが身につけられることを提示する」「専門スキルを身につけた後も社内で安定的にリスクなく生活できる年収を提示する」「副業/兼業の可能性を明確にした上で成果に対してストレートに評価を提示する」といったことが求められていると考えられます。
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