グローバル人材とは、文部省の定義によると日本人としてのアイデンティティを持ち文化に深い理解がありながら、豊かな語学力と異文化への理解力を併せ持ち、主体的に活躍できる人材のことを指します。日本と海外の橋渡しの役割を果たすグローバル人材は、今後の事業強化をはかりたい企業にとって欠かせない人材となることでしょう。
グローバル人材が注目されている背景には、日本国内の経済が停滞を続けていることや日本の労働人口が減り続けていることがあります。日本の経済はバブルの崩壊以降失われた30年と揶揄されるほど停滞が続いています。国連統計によると国の経済力を示す名目GDPは米国や中国に次ぐ世界3位ではありますが、国民一人当たりのGDPは世界27位へと順位を大きく下げており、今後も国力が衰退していくことが予想されています。国内市場の拡大が見込めない場合、世界進出も検討しなくてはなりません。
また、日本の人口も2050年までに1億人を割るといわれているほどに減少傾向が続いており、労働力を確保するには外国人労働者を受けいれなければならない状況に変わっていくことでしょう。海外に目を向け、ビジネスを拡大させ働き手として外国人労働者を受け入れるためには、日本人の心を持ちながら海外の会社、労働者とスムーズなコミュニケーションを取れる人材が必要になります。
グローバル人材に必要なスキルとしては、日本人の気持ちを理解するためのアイデンティティを持ちながら、優れた語学力を備えている点が前提となります。それでいて外国の企業や人材とも良い人間関係が構築できるように、文化の違いから生まれる誤解などを中和するような柔軟性を持っていると、より貢献度の高い仕事をこなすことが可能になります。
グローバル人材を自社で育成するには、自社が求めるスキルや人物像を具体的かつ明確に定義することが大切です。前述のグローバル人材のスキルを部分的に備えている人材が複数いれば、企業のやりたいことを成し遂げることは十分可能といえるでしょう。自社に必要な人材を育てるためのプログラムを企画し、PDCAを回転させながら独自の育成ノウハウを構築することが大切です。