キャッチアップ(Catch Up)とは、「追いかける」「追いつく」という意味から派生したビジネス用語です。
ビジネスシーンにおいては、主に「自身が遅れてしまった状況に対して、情報を追いかけて把握する」ことを指します。たとえば、「体調不良で休んだあいだのプロジェクト進捗についてキャッチアップする」「出席できなかった会議の議事録を読んでキャッチアップする」といった場面で使います。
また、「自分(自社)に先行している他者(競合)を意識する」ことをキャッチアップと表現する場合もあります。たとえば「Aさんに憧れてキャッチアップしている」「先輩をキャッチアップすることは大変だ」「X社をキャッチアップした施策を考える」など、自分より優れた存在に対して使われることも多い言葉です。
さらに、業界によって異なる使い方をする場合もあります。
たとえば、経済用語としての「キャッチアップ」は、「発展途上国が先進国に技術水準で追いつく(格差をなくそうとする)」行為を指します。(例文:A国は近年、自動車業界において日本をキャッチアップしている)
また、「特定の分野で優れている他国を参考にする」場合にも、キャッチアップと表現することもあります。(例文:日本はX国の少子化対策をキャッチアップするべきだ)
また、IT業界のキャッチアップは、RSS(Really Simple Syndication)で未読情報を一括既読処理することを指します。そこから派生して、「未読情報をまとめて確認する」ことをキャッチアップと表現する場合もあります。放送業界では、「キャッチアップ放送」「キャッチアップ配信」など、再放送を意味して使われます。
このようにキャッチアップは多種多様な意味を持つ言葉ですが、一般的なビジネスシーンでは「情報を追いかける」という意味で使われることがほとんどです。キャッチアップ力はビジネスパーソンとして重要な能力でもあり、全体を俯瞰してみることにもつながります。情報が目まぐるしく行きかう現代社会だからこそ、「分からないことはすぐに確認する」「質問する勇気を持つ」など、キャッチアップ力を鍛えていくことが大切といえるでしょう。