
Amiways
羅 和益 代表取締役 グローバル人材育成コンサルタント
【PROFILE】多国籍企業において、海外工場の立ち上げを担当し、製造・品質・人事・営業等の幅広いテーマでプロジェクトを推進。8カ国の出身者から構成、開発途上国地方都市という立地、2000人を超える従業員という非常に困難な状況下においても、地域随一のメーカーとしての発展に貢献。その後、老舗企業における業務改革、新規事業立ち上げからマネジメント全般にも従事。2013年~2021年には東南アジアに活動拠点を移して独立し、日系企業やグローバル企業、現地有力企業、官公庁に対して、マネジメント研修やコーチングなどを中心に、人事組織に関するコンサルティングに携わってきた。
外国人材を採用しても、なかなか職場に定着しない。指示を出しても動いてくれない。日本人スタッフとの間に見えない壁がある――。あるいは、海外に赴任した駐在員が現地スタッフをうまくまとめられず、苦労しているという声もよくお聞きします。
私自身も、かつてまったく同じ壁に直面した一人です。マレーシアの複合企業に勤務していた当時、ミャンマーの水産加工工場で8か国・2,000人の現場を任されました。
ミャンマー、マレーシア、中国、インド、フィリピンをはじめとする多国籍のチームです。指示が伝わらない、何を考えているのかわからない、同じことを何度説明しても変わらない。そうした日々の中で、私は「どうすれば相手を変えられるか」ばかりを考えていました。
転機は、その発想を手放したときに訪れました。問題は相手ではなく、「わかってもらえるはず」という自分の前提にあったのです。その気づきを起点に、チームとの関わり方を根本から見直した結果、少しずつ現場が動き始めました。
本書は、その経験を学術的知見と照らし合わせながら体系化したものです。ホフステードの六次元モデルやメイヤーのカルチャーマップといった理論は、現場での試行錯誤を振り返る「言語化の道具」として機能しました。
理論が先にあったのではなく、経験を後から理論が照らし出した――それが本書の構造です。
人事担当者の方々に特にお読みいただきたいのは、異文化コミュニケーションとリーダーシップを扱う章です。外国人材が「動かない」のは能力や意欲の問題ではなく、「伝え方」と「関わり方」の設計の問題であるケースがほとんどです。
ホフステードの六次元モデルやメイヤーのカルチャーマップ、GLOBE研究といった理論を実務に落とし込みながら、何を・どう変えれば現場が機能するかを具体的なエピソードとともに示しています。
外国人材マネジメントに「正解」はありません。しかし「考え方の軸」は持てます。その軸を、本書を通じてお届けできれば幸いです。

羅和益 著
中央経済社
2,600円+税












