ボトルネック

ボトルネックは、「瓶の細い部分・瓶の首」を意味する英語「bottleneck」に由来したカタカナ語です。英語でも「水路の流れを減らす狭まり」、「停滞」という意味で使われます。ビジネス用語でボトルネックとは、業務全体の流れのなかで業務の進行を停滞させ、生産性を低下させる最も問題となる要因を指します。企業におけるボトルネックは、さまざまな要因が考えられるため、業種によって言葉が意味するニュアンスも変わってきます。

IT業界では、コンピューター関連の障害が発生した際の原因や、システム処理や通信のスピード低下をまねく問題がボトルネックになります。パソコンにおけるパフォーマンス低下の原因となるシステムや、パーツをボトルネックと呼ぶ場合もあります。

製造業界では、生産プロセスでスピードが遅いため全体の生産効率の低下をもたらしている工程がボトルネックとなることもあれば、経営管理における事業計画の遂行に必要な経営資源の調達が難航してボトルネックになることもあり得ます。

ボトルネックが生まれる原因のひとつとして、人手不足が考えられます。日本では少子高齢化が進み、「生産年齢人口」とされる15歳から64歳の人口減少が影響して、企業の人手不足が慢性化しているからです。本来ならば十分な人員を配備して行う工程が、人手不足のため処理能力が落ちてボトルネックになってしまうことがあります。

ほかには組織のなかで専門性の高い業務が増えて分業化が進むあまり、その業務の責任の所在が分からなくなる「ブラックボックス化」や、特定の担当者しかその業務をこなせなくなる業務の「属人化」が起きて、ボトルネックが発生する原因となることもあります。

ボトルネックを解消するマネジメント手法として知られるのが、TOC(Theory of Constraints)です。イスラエルの物理学者エリヤフ・ゴールドラット博士が提唱したもので、「TOC理論」「制約理論」とも呼ばれ、業務の流れにおける制約条件(ボトルネック)を解消するための5ステップを示しています。

1.ボトルネックとなっている工程を特定する
2.ボトルネックを徹底的に活用する方法を考える
3.ボトルネック以外のリソースをボトルネックとなっている工程に合わせる
4.ボトルネック部分の強化を行い処理能力を高める
5.新たなボトルネックに対応して継続的に5つのステップを繰り返す

というものです。

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