確証バイアスとは、自分自身が持っている先入観、さらには仮説を肯定することを目的に、自分自身に都合よく働く情報のみを集める傾向を指す言葉です。認知心理学、または社会心理学において用いられる言葉であり、自分の仮説、信念を明らかにする場合に、都合の悪い情報は避けて都合のよい情報のみを集めてしまうことがあります。ビジネスにおいては、決定や投資判断をする際に起こりやすいバイアスのひとつです。
具体的には、自分たちのビジネス戦略や商品・サービスに関する調査や情報収集を行う際に、自分たちの意見や考えに合致する情報を優先的に探し、それを強調してしまうことがあります。これにより、自分たちの認識が偏ってしまい、現実に即した判断ができなくなってしまいます。
このような確証バイアスが生じる原因としては、自己肯定感の強さや自己中心的な思考、個人の過去の経験や知識に基づく傾向が挙げられます。人は過去の経験や知識によって自分なりの解釈や判断基準を持っていますが、それによって新たな情報や異なる意見を受け入れることが難しくなります。たとえば、過去に成功した経験がある企業において確証バイアスが生じてしまうと、現在の状況や市場の変化に対応させることなく、成功体験に基づいて新たなビジネス戦略を立ててしまうことがあります。
ビジネスにおける確証バイアスは、自分たちの意見や考えに合致する情報を重視してしまうため、正しい判断を下せなくなる要因となります。また、自分たちの視野に入らない情報や異なる意見を無視することになり、本当の問題や懸念点を見落としてしまうことがあります。さらに、確証バイアスによって、チャンスを逃し、潜在的なリスクを見逃してしまうことがあります。これらのことは、ビジネスにとって重大なデメリットとなります。
これを避けるためには、意見の対立や意見の多様性を尊重し、自分たちの意見に反する情報も収集するように努めることが必要です。また、外部の専門家や第三者の意見を取り入れることも有効です。
たとえば、ビジネスにおいては、市場調査や分析を行う際に、あえて自分たちの想定に反するデータや意見を収集することも重要です。また、社内での意見交換やディスカッションにおいては、異なる立場や意見を持つ人たちにも十分に発言の機会を与え、多様な意見を反映するようにすることが大切といえるでしょう。
