限定正社員

限定正社員とは、正社員でありながらも、勤務する地域や就労内容、勤務時間などを限定して働く社員のことをいいます。フルタイム勤務が難しい、転勤できない事情があるなど、従業員の状況を考慮した働き方が可能となるため注目を集めています。

限定正社員の制度を設ける目的は、従業員のライフワークバランスのサポートをすることで、優秀な人材の確保や離職防止につながることにあります。

正社員は基本的に、定められた就業時間に出勤し必要とされる職務内容をこなし、求められれば配置転換や職務内容の変更、場合によっては転勤などもあります。

しかしながら、生活環境の変化によって、これまでの条件では勤務が困難になる可能性はだれにでもあります。企業は従業員の事情に応えたくても、例外に対応できる社内規定がないことで応えられず、働きたくても退職を選択せざるを得ないケースなどがありました。

しかし限定正社員の制度を導入することで、育児や介護、自身の病気などを理由に正社員と同様に働くことが困難な従業員にも、継続的に働いてもらうことが可能になるのです。

限定正社員には、勤務地限定・職務限定・勤務時間限定の主に3つに分類されます。限定正社員は法令で定められているものではないため、従業員のニーズや過去の事例にあわせてフレキシブルに適応できるよう企業それぞれで規定を定められます。

限定正社員の制度を導入することは、デメリットもあります。正社員と限定正社員が同じ職務内容である場合、転勤や残業がないにも関わらず一般的な正社員と待遇面が変わらないときは、正社員の不満を招くことになります。反対に、一般的な正社員と待遇差がありすぎる場合には、限定正社員の不満につながる可能性があります。そのため、就労状況と待遇面のバランスを調整することが困難であるといえるでしょう。

また限定正社員の制度は、働き方の多様化に対応できるよう、導入する企業が増えつつあります。これまでの働き方では退職を諦めざるを得なかった人でも、柔軟な勤務体制によって働き続けられます。企業にとっても、人材確保が難しくなっている状況下において大きなメリットになるといえます。また限定正社員の制度を導入していることは、新卒採用においても企業の強みとしてアピールにもつながります。

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