アウトプレースメントとは、人員削減をする企業から依頼を受けて、解雇対象者の再就職先を支援することや転職コンサルティングを行うことを指します。また、そのような事業を運営する企業のことを指す場合もあります。
人材ビジネスには、アウトプレースメント以外に人材派遣や人材紹介があります。通常は、採用する企業が求職者を募集して採用するまでの費用を、人材派遣や紹介会社に支払うことでビジネスが成り立っています。一方、アウトプレースメントは、人員削減を行う企業が再就職にかかるまでの費用を負担するため、再就職先である受け入れ企業には費用がかかりません。
アウトプレースメントの目的は、労使間の紛争を招かないよう外部の企業に介入してもらい、早期の再就職を支援してもらうことです。企業が人員整理をおこなういわゆる整理解雇は、従業員に非がなく会社の業績による都合であるため、従業員にとっては今後の生活に大きな影響を与えることとなります。トラブルに発展することも考えられるため、対象者の早期再就職と、労使間の紛争を防ぐことためにアウトプレースメントが活用されます。
アウトプレースメント専門業者の具体的な運営内容は、企業に対しては円満に解決できるためのアドバイスをおこない、対象者へは早急に再就職先を見つけるためのサポートをおこないます。
対象者へは、カウンセリングやキャリアアドバイス、再就職に必要なスキルトレーニングなど多方面からバックアップします。正社員としてだけではなく、派遣社員やアルバイト、独立して起業することへも対応し、さまざまなケースをフォローできるよう多種多様なプログラムがあります。
人員整理によって不安を抱えている対象者の精神的なサポートも、アウトプレースメントの大きな役割です。
アウトプレースメントの注意点としては、あくまで再就職をサポートする事業であり、対象者の転職を確約するサービスではないことです。そして費用も一人年間に100万円ほど必要となるため、人員削減を余儀なくされた企業にとって、費用負担は大きくなるでしょう。
しかしながら、企業にとって人を雇用することは多くの責任を負います。有事の際には社会的責任を果たすために、アウトプレースメントは必要なことといえるでしょう。