
エリメントHRC
狩野 洋輔 代表取締役
【PROFILE】高校時代を海外で過ごし、国内大学卒業後、医療機器メーカーにてSales & Marketingに従事。高度医療機器の営業を経て、メディカル分野に特化したサーチファームへ転身。2006年にエリメントHRCを設立。「意向と性質」理論を提唱し、業界全体の底上げを目的とした面談ロールプレイング大会「UCB(Ultimate Consulting Battle)※」を主催するなど、人材紹介業界の価値向上に尽力している。
※UCB=現在は、Professional Career Adviser Contest(PCAC)として運営
人材紹介業界は約30年にわたり成長を続けてきました。しかし、その一方で私は長年、一つの疑問を抱いてきました。「なぜ、この業界には成果を出す技術が体系化されていないのだろうか」ということです。
トップコンサルタントは存在するものの、その理由は「経験があるから」「センスがあるから」と語られ、技術として言語化されることはほとんどありませんでした。その結果、育成は属人的になり、多くの会社が「優秀な人材が育たない」という課題を抱えています。私は、この状況を変えたいという思いから本書を執筆しました。
本書で提唱している「新人材紹介理論」は、人材紹介を求人紹介業ではなく、「意思決定支援コンサルティング」と再定義した理論です。候補者の転職理由を表面的に聞くのではなく、その背景にある「意向」と「性質」を整理し、求人と論理的に結び付けることで、本当に納得できる意思決定を支援する。その思考プロセスを、再現可能な技術として体系化しました。
また、本書では面談技術だけではなく、営業マネジメントについても多くのページを割いています。売上という結果を管理するのではなく、その結果を生み出す営業状態をKPIや統計分析によって可視化し、未来の成果を予測・改善するという考え方です。感覚や根性論ではなく、データに基づいて人を育て、組織を強くする。これも新人材紹介理論の重要な柱の一つです。
さらに、この理論を実践・検証する場として、全国のコンサルタントが面談技術を競い合う業界横断型ロールプレイング大会「UCB(現PCAC)」を立ち上げました。理論を学び、実践し、検証し、再び理論へ反映する。このサイクルを業界全体で回すことで、人材紹介という仕事そのものの価値を高めたいと考えています。
本書が一人でも多くのコンサルタントや経営者、そして人材紹介業界に関わる皆さんにとって、「人材紹介は技術である」という新しい視点を持つきっかけになれば幸いです。業界全体の生産性と品質を底上げする、その第一歩となることを願っています。

狩野洋輔 著
ブランクエスト・パブリッシング
1,900円+税












