テレワークを縮小・廃止する企業が増えたのはなぜ? テレワーク廃止によるデメリットも紹介

(最終更新日:2024年3月13日)
コロナ禍を経て、テレワークを縮小・廃止する企業が増えています。テレワークはさまざまなメリットがある一方で課題も生じています。
この記事では、なぜテレワークを縮小・廃止する企業が増えたのか、また縮小・廃止によるデメリットについても解説します。(文:日本人材ニュース編集部

テレワーク制度「2023年に廃止された」は4%

NTTデータ経営研究所が実施したアンケート調査「働き方改革2023」によると、テレワーク制度が整備されている企業は前回調査と比べて0.4ポイント減少し46.0%。一方、テレワーク制度が整備されていない企業では、前回調査と比べて3.2ポイント減少し42.0%。
「過去に制度があったが今年廃止された」と回答した人は4.1%で、「コロナ禍を経てテレワーク制度自体を見直す動きもでていることが見受けられた」としています。

テレワークを縮小・廃止する企業が増えたのはなぜか?

なぜテレワークを縮小・廃止する企業が増えたのか、理由について解説します。

コロナ禍での暫定措置であったため

テレワークは企業にとってコロナ感染対策への暫定的な措置だったため、従来のオフィスワークに戻しても問題ないと判断することがひとつの理由に挙げられます。新型コロナは季節性インフルエンザと同様に「5類」へと移行し、感染や重症化するリスクが低減したため、テレワークを縮小・廃止するという企業が増加傾向にあるのです。

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デメリットがあるため

テレワークにデメリットを感じている企業が多いことも理由に挙げられます。デメリットに感じる部分の一例を解説します。

コミュニケーション不足

テレワークでは、コミュニケーションをとることが対面よりも困難です。ちょっとした報告でも文面での連絡が必要になり、困ったときに気軽に相談できる機会がない、成功や失敗体験を共有しづらいなど、オフィスワークよりもコミュニケーション不足に対する課題が生じています。

勤務状況の把握が難しい

テレワークでは、自宅での勤務状況を把握することが困難です。1日の業務内容や成果物などを上司が把握するために報告手段を明確にしておく必要があり、オフィスワークでは不要だった業務が発生することになります。

生産性の低下

テレワークはさまざまな影響から生産性が低下する場合があります。たとえば、仕事のオンオフが区別しづらい、資料作成や捺印など一部の業務のためだけに出勤しなければならない業務フローなどが挙げられます。
またデスクワークのための設備や通信環境などがオフィスに比べて整っていない環境であり、生産性に影響することも理由です。

従業員エンゲージメントの低下

テレワークはコミュニケーションの取りづらさから、従業員エンゲージメントが低下する可能性があります。従業員エンゲージメントは、企業への理解度や愛着心などの意味があります。テレワークによって企業理念や目標が浸透しづらくなる、適切な人員配置や人事評価ができないなどのケースが起こり得ます。従業員エンゲージメントが高まると、モチベーション維持や定着率の向上が期待できるため、企業にとって重要な要素となります。

従業員の平等性を保つため

職種や家庭の事情などによってテレワークを選択できないケースもあり、不平等感から不満を抱く場合もあります。一部の従業員だけが通勤してオフィスワークをしていることで、従業員同士の軋轢が生じてしまう可能性もあります。

テレワークの縮小・廃止による従業員・企業のデメリットは?

テレワークを縮小・廃止することによって、従業員や企業のデメリットについて解説します。

【従業員】ワークライフバランスの実現が難しい

テレワークを縮小・廃止することで、従業員のワークライフバランスの実現が難しくなるケースがあります。オフィスワークの場合、通勤にかかる時間は懸念点です。テレワークによって自由になった通勤時間が活用できなくなり、再度出社することに対してストレスを抱く原因となります。

【企業】オフィス環境の整備が必要になる

テレワークによって削減できていたオフィススペースを元通りにしなければなりません。場合によってはオフィスの移転や備品の再購入なども必要になります。設備や維持費、従業員の交通費など経費計画にも影響するでしょう。

【企業】人材流出の可能性がある

ワークライフバランスを重視する従業員にとって、テレワークが縮小・廃止になる場合、転職を希望する可能性があります。また働き方が多様化している現在、テレワーク勤務を選択できないことで、人材の確保が難しくなることも考えられ、優秀な人材が流出するリスクがあります。

テレワークを縮小・廃止するべきかの3つの判断ポイント

テレワークを縮小・廃止する前に、以下の内容をまず見直してみましょう。

まずは従業員の状況を把握する

従業員の生産性やモチベーションなどについて把握することが大切です。不便に感じていることや、不満に思っていること、オフィスワークとの生産性の違いなどを確認しましょう。デメリットになる部分は具体的にヒアリングし、改善できる方法がないか探ります。

テレワーク環境の整備の見直しをする

テレワークでのデメリット部分であるコミュニケーションの取りづらさを改善できるよう、ビデオ通話やチャットが可能なコミュニケーションツールを導入する、一部の業務担当者だけが出勤しなくてすむように書類をデータ管理に変更するなどで、テレワークのデメリットを解決できる可能性があります。テレワークでも生産性が下がらないよう、環境を見直しましょう。

労働管理方法の見直しをする

テレワークで従業員がどのように勤務しているか、業務内容が上司には伝わりづらく評価が難しいという点があります。
また出勤や退勤、有給などの労働管理も行わなければなりません。そのため、勤怠管理が簡単にできるツールや、ログイン状況や業務内容を簡単に管理できるツールの導入を検討してみます。

テレワークを廃止する前に「ハイブリッドワーク」の検討を

日本人材ニュース

テレワークの課題を解決できる方法として、ハイブリットワークが注目されています。ハイブリットワークとは、テレワークとオフィスワークを組み合わせたワークスタイルです。

テレワークの導入は従業員にとって働き方の幅が広がるため、従業員の満足度や、人材採用への優位性が向上する施策です。デメリットが多いからといってテレワークを完全に廃止する前に、テレワーク導入を維持しながら、テレワークでの課題を克服することが企業には求められています。

ハイブリットワークは、テレワークとオフィスワークを完全に区別するのではなく、週に3日はテレワーク、週に2日はオフィスワークなど、よりフレキシブルな働き方が可能です。
一人で集中して作業する業務であればテレワーク、打ち合わせなどコミュニケーションが求められる業務であればオフィスワークなどと、業務に適切な環境を選択できることで、効率よく業務が進められます。

ハイブリットワークは、人材確保にも有利に働き従業員のパフォーマンスや生産性を向上できる働き方だといえます。

まとめ

コロナ禍の暫定措置としてテレワークを導入していた企業も、デメリットを感じオフィスワークへ戻す企業が増えてきています。しかしコロナが終息しても、コロナ前と同じような働き方は難しいかもしれません。

テレワークは従業員のワークライフバランスのサポートや採用に有利など、人材確保としてもメリットもあります。テレワークでの生産性やモチベーション、コミュニケーションを向上できる取り組みを行うことも必要です。

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