ティールとは、ビジネスにおける組織の段階のひとつを表す概念であり、フレデリック・ラルーによって提唱された組織発展の理論のひとつです。ティール組織という言葉で用いられます。
ティール組織は、個人の自己実現や成長を重視し、自己組織化された小さなチームが連携して大きな目標を達成する組織です。目的や使命を共有するメンバーが集まっており、彼らは自律性を持ち、よりよい組織を作るために自分たちで責任を持って行動します。
ティール組織では、個人が自己実現することが重視されます。自分たちで目標を設定し、その達成に向けて自己組織化されたチームで協力しあうことで、個人が自己実現する機会が増えます。そのため、個人のモチベーションが向上し、生産性や成果につながることが期待されます。
また、ティール組織では、自己組織化された小さなチームが連携して大きな目標を達成します。そのため、チームワークや協働性が特に重要視されます。自分たちで責任を持って行動することで、個人の役割や貢献度が明確になり、チーム全体のパフォーマンスの向上が期待されます。さらに、各チームが自己決定を行うため、意思決定が迅速かつ柔軟になるメリットもあります。
ティール組織のデメリットとして、組織が大きくなると、それらのチームがうまく連携しないことがあります。チーム間の意見や役割の重複など、調整が必要な問題が生じる可能性もあります。また、各チームが自己組織化されていますが、役割が重複し、責任の所在が不明確になることがあります。そのため、チームメンバーが自分の役割や責任を明確にしておくことが必要です。各チームが自己決定するため、それらの決定が目的や使命から逸脱する可能性も否定できません。
ティール組織は、組織発展の一つの段階であり、すべての企業が必ずしもこの段階に至る必要はありません。また、ティール組織に適している業種や組織体質があるため、導入には慎重な検討が必要です。そして、ティール組織を導入するには、社員の教育やトレーニングが必要であることに加え、各チームが自己決定するため、それぞれのメンバーが問題解決のスキルや判断力を持っていることが求められます。