就職活動において、企業が学生を採用する前に、その学生の親の意見や承諾を確認する行為を「オヤカク」と言います。「オヤカク」は「親の確認」を略したものです。
近年、新卒採用における内定辞退が増加しています。その主な原因の一つとして、学生の親が入社を反対しているケースが挙げられます。 このような状況を避けるため、企業は内定を受諾した学生に対して「入社することについて親の承諾を得ていますか」と確認を取ることがあります。また、企業から直接親へ内定承諾の確認をすることもあります。
オヤカクの背景
日本の就職活動は新卒一括採用が主流であり、多くの学生が同時期に就職活動を行います。この過程では、学生、企業、そして学生の家族が密接に関わり合います。特に近年、親の子供に対する関与が強く、子供の就職先選びにおいても親の意見が重視される傾向にあります。
企業は「オヤカク」を通じて、学生が入社後に退職するリスクを減らし、内定辞退率を下げることを目指しています。 マイナビ(東京・千代田、土屋芳明社長)による「2023年度就職活動に対する意識調査」では、子供の内定企業から「内定確認の連絡」、いわゆる「オヤカク」を受けたという回答が52.4%に上り、オヤカク経験率は直近3年間でわずかに増加していることが示されています。
オヤカクの実施方法
オヤカクの方法は企業によってさまざまです。一部の企業では、内定を出す前に学生の家族と面談を行い、家族の意見や状況を確認します。他の企業では、オファーレターに同封される書類で親への同意書を求めることもあります。 オヤカクの目的は、学生が家族と十分に話し合い、家族のサポートを得ながら就職活動を進めることを促すことにあります。企業としても、学生が家族の支援を受けていることを確認することで、社員として長期的に勤務してもらえる可能性が高まると考えています。