「DX人材」とは? DX人材の採用に強い人材紹介会社3選

最終更新日:2023年3月29日

新型コロナウイルスの感染拡大により社会全体でデジタル化の必要性を実感させるものとなりました。
2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」を契機に、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を経営戦略に掲げる企業が増え、DX人材の採用の取り組みが本格化しています。
しかし、多くの企業でDX推進の明確なビジョンをまだまだ描けていないのが現状です。

そこで、本記事では「そもそもDXは何か」といった基礎知識から、「DX人材」、「DX人材採用を成功させるためのおすすめの人材紹介会社」を紹介します。

「DX人材」とは?

そもそも「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは何でしょうか。

経済産業省では、DXを以下のように定義しています。

<参考: 「DX 推進指標」における「DX」の定義>
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
<引用元:「DX推進指標」とそのガイダンス(令和元年7月 経済産業省)

DXとは、単にIT導入やデジタル化のことではありません。デジタル技術の活用によって製品・サービスやビジネスモデルに変革を起こし、経営改革を実現することです。
IT化はDXの手段であり、DXはIT化のその先にある目的と言えるでしょう。
そのため、DXは事業部門ごとの取り組みで実現できるものではなく、全社横断的に取り組む必要があります。

「DX人材」とは?

DX実現に向けて明確なビジョンを描き、具体的な取り組みを実行できる人材のことを指します。

6種類のDX推進に必要な人材

2019年にIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発表したレポート「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」によると、DX推進に必要な人材は次の6職種に分類できます。
<参照:https://www.ipa.go.jp/files/000073017.pdf

  1. プロデューサー: DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人材(CDO含む)
  2. ビジネスデザイナー: DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進等を担う人材
  3. アーキテクト: DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材
  4. データサイエンティスト/AIエンジニア: DXに関するデジタル技術(AI・IoT等)やデータ解析に精通した人材
  5. UXデザイナー: DXやデジタルビジネスに関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材
  6. エンジニア/プログラマ:上記以外にデジタルシステムの実装やインフラ構築等を担う人材

DXを実現する上での現状・課題

DX

現状

以下の2つが現状として挙げられます。

  1. DXという言葉の認知度が向上
  2. レガシーシステムによるDX推進の足止め

①DXという言葉の認知度が向上

経済産業省が2018年9月に出した「DXレポート」で、「2025年の崖」が問題提起されました。
<参照:D X デジタルトランスフォーメーション レポート ~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~

これは、「DX推進による経営改革が行われないと、2025年以降、最大12兆円/年(2018年度比:約3倍)の経済損失が生じる可能性がある」という問題です。

                            参照:D Xレポート -「2025 年の崖」

一方で、「 2025年までの間に、複雑化・ブラックボックス化した既存システムについて、廃棄や塩漬けにするもの等を仕分けしながら、必要なものについて刷新しつつ、DXを実現することにより、2030年実質GDP130兆円超の押上げを実現」ともされています。

                         参照:D Xレポート -「 DX実現シナリオ」

これによってDXという言葉が広く認知されるようになり、経営層を中心に危機感を抱いた企業がDXへの取り組みを開始しました。

また、2019年にIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発表したレポート「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」では、「AIやIoT等のデジタル技術の普及による自社の優位性や競争力の低下を懸念している」と答えた企業が58.7%、「ビジネス変革や新ビジネス創出の必要性を『非常に強く』感じている」と答えた企業は63.0%にも及びます。
<参照: https://www.ipa.go.jp/files/000073017.pdf

参照:「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」 p4 左図

参照:「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」 p4 右図

このように、多くの企業がDXに関して強く課題を感じています。また、 新型コロナウイルスの感染拡大による在宅勤務・リモートワークへの移行は、DXを加速させました。今後もDX推進の本格的な取り組みを開始する企業は増えていくと考えられます。

②レガシーシステムによるDX推進の足止め

多くの企業で老朽化、肥大化・複雑化したレガシーシステムのブラックボックス状態を解消できていないのが現状です。データを活用しきれないため、DXが実現できません。
また、今後は既存システムの維持・管理費が高騰し、技術的負債が増大します。そして、レガシーシステムの保守運用者不足等によって、セキュリティ等のリスクも高まります。
そのため、DXを本格的に展開するためには、既存システムの刷新が急務となります。
(※レガシーシステム:老朽化、肥大化・複雑化、ブラックボックス化した既存システム)

課題

主に次の2つが課題です。

  1. 経営層の理解不足
  2. DX人材の不足(IT教育やノウハウの欠如)

以下に詳しく解説していきます。

①経営層の理解不足

DXに対する経営層の理解度は、業界・業種、企業規模、その人の感度によってまちまちです。
また、既存システムの刷新やDX人材の採用には時間とコストがかなりかかるため、DXの必要性を理解していたとしても推進に消極的になる経営層もいます。
トップの理解を得られなければ、人事担当者もDX人材の採用をしづらいという問題があります。

②DX人材の不足(IT教育やノウハウの欠如)

引き合いの強いDX人材は、多くの企業で不足しています。
また、IT・ソフトウエア人材といったDX人材がレガシーシステムの保守・運用に割かれており、貴重な「IT人材資源」の浪費につながっている企業も多々あります。
そして、 IT・ソフトウエア人材に頼りすぎているため、社内にノウハウが残りにくく、自社システムの構造や問題点を把握できていないといった問題も見受けられます。

DX人材の採用に強い人材紹介会社

これまで説明してきたように、多くの企業がDX推進の必要性を感じています。
しかし、①DXに対する経営層の理解不足、②引き合いの強いDX人材 という課題からDXをうまく実現できていない現状があります。
そこで、DX人材の採用を成功させるためにおすすめの人材紹介会社を紹介します。

なお、本記事とは別でDX人材の採用・育成について簡単にまとめた記事もあります。
【DXを加速する新人材戦略】不足するDX人材 採用と育成の最前線
こちらも併せてご覧ください。

ウィンスリー
ターゲット:優秀なデジタル・DX推進人材
サービス内容:業務委託支援サービス「Digital Flex(デジフレ)」

シンクエージェント
ターゲット:新卒のITエンジニア
サービス内容:新卒のDX人材紹介

コンコードエグゼクティブグループ
ターゲット:コンサルティング会社出身者
サービス内容:ポストコンサルの人材紹介

ウィンスリー

ウィンスリー

ウィンスリーは、デジタル分野に特化した人材紹介会社で、3,500件(2020年3月時点)もの求人案件が集まり、そのうち95%が大手企業からの依頼となっています。

2021年3月より、ウィンスリーは優秀なデジタル・DX推進人材をプロジェクトベースで企業に常駐させる業務委託支援サービス「Digital Flex(デジフレ)」を開始しました。

デジタル・DX推進のプロフェッショナル人材がプロジェクト遂行に伴走し、DXに本気で取り組む大手企業を中長期的に支援します。

サービス名:業務委託支援サービス「Digital Flex(デジフレ)」
専門:デジタル分野
コンサルタント:デジタル業界での採用担当・責任者の経験者
候補者:デジタル、DX推進人材
求人案件数:3,500件(2020年3月時点)

「Digital Flex(デジフレ)」については次のページをチェック!
【デジタル専門業務委託サービスDigital Flex(デジフレ)】DX推進人材は業務委託で獲得、人材不足とミスマッチに終止符

②シンクエージェント

シンクエージェント

シンクエージェントは、新卒紹介サービスのパイオニア的存在である猪俣氏が代表をつとめる人材紹介会社です。
ITエンジニアなど就職サイトでは出会うことの難しい新卒をピンポイントで紹介できることが強みです。

大学3年生のインターンシップ時期に2カ月間のプログラミング研修を実施し、スキルを体得した学生を早期に企業に紹介するエンジニア紹介サービスが人気です。

専門:新卒学生
コンサルタント:企業と学生の両方を担当
候補者:新卒のITエンジニア
サービス:エンジニア紹介サービス
サービス特徴
・大学3年生インターンシップ時期、2カ月間プログラミング研修実施
・ スキルを体得した学生を早期に企業に紹介

シンクエージェントが新卒のDX人材採用を成功させている記事については
https://jinzainews.net/6647#i をご参照ください。

③コンコードエグゼクティブグループ

コンコードエグゼクティブグループは、戦略コンサル、ITコンサル出身のキャリアコンサルタントを擁し、特に「ポストコンサル」の紹介で高い実績を持ちます。

マッキンゼー、BCG、アクセンチュアなどのコンサルティング会社出身者であるポストコンサルは、DX案件も多数経験してきています。そのため、コンサルティング業界に広範なネットワークを持つコンコードエグゼクティブグループへ、DX人材を採用したい企業からの依頼が殺到しています。

コンコードエグゼクティブグループ

専門
①事業会社への経営幹部層の紹介
②コンサルティングファーム/投資銀行/ PEファンド等へのプロフェッショナル人材の紹介
コンサルタント:戦略コンサル、ITコンサル出身者
候補者:ポストコンサル/東大・京大出身者・MBAトップ校
年齢層:20~50代前半
備考
・「日本ヘッドハンター大賞(ビズリーチ社主催)」 コンサルティング部門初代MVP受賞
・東京大学×コンコード「未来をつくるキャリアの授業(2017)」コースディレクター

DX人材の育成に強い研修会社

先ほどまでは、DX人材の採用に強い人材紹介会社を紹介してきました。
この章では、DXを推進する企業の人材育成に強い研修会社について紹介していきます。

ネクストエデュケーションシンク
サービス概要:DX人材の社内発掘、集中的教育

②インソース
サービス概要:各社ごとに研修体系を用意し、全社員にDX教育

①ネクストエデュケーションシンク

ネクストエデュケーションシンクは、200種類の多種多様な診断や企業ニーズに応えるコンサル力・カスタマイズ力を強みとし、DX人材のアセスメントで1400社への導入実績があります。

ネクストエデュケーションシンクは、日本イノベーション融合学会が実施する「DX検定」の事務局を担っています。
社員に「DX検定」や各種診断を受講させ、能力や適性・コンピテンシー(行動特性)を客観的に可視化します。
DX人材を社内発掘し、選ばれた社員に集中的な教育を行うことで企業のプロジェクト加速に成功しています。

ネクストエデュケーションシンクの考える「人財能力の氷山モデルTM」

強み:企業のDX人財育成など先進の科学的アセスメント、組織分析・コンサルを迅速に実施
対象企業:大手企業中心
導入実績:1400社
各種診断数:200種類(客観的な能力診断群をはじめ、先進・高精度の適性・コンピテンシー診断)
コンセプト:「人財能力の氷山モデル™」
備考:日本イノベーション融合学会が実施する「DX検定」の事務局を担う

ネクストエデュケーションシンクが「DX検定」を用いて、大手企業の(DX推進)プロジェクトに成功した事例については、https://jinzainews.net/6647#DXDX の記事を参照ください。

②インソース

インソースは創業以来、3万2000組織以上の課題を解決しており、その経験を活かした多角的な人材戦略立案が強みです。3000種類以上あるコンテンツを基に、各社ごとに課題に合わせたオーダーメイドのコンテンツを開発し、年間49万人以上が受講しています。

インソースは、「業務の効率化を担うDX人材は社内で養成することが可能」という考え方です。
文系人材を含めできるだけ多くの社員がデータ活用できるよう、全社的にDX教育・研修に努めているのが特徴。

強み:全階層向け研修、DX人材育成、eラーニング、教育管理システム等、人事戦略の総合的な支援
取引先:3万2000組織以上
受講者数:49万人以上
サービス特徴:文系人材を含めた社内のDX人材化を低価格で支援
備考:人材育成・研修分野で数少ない東証一部上場企業

インソースのDX人材育成の記事を読みたい方は https://jinzainews.net/6647#DX-5 を参照ください。

本記事では2つしか紹介しておりませんが、デジタル人材の育成に強い人材サービスについて知りたい方は次のページも併せてご覧ください。
DX人材の育成に強い人事コンサルティング会社&サービス

まとめ

いかがでしたか。
本記事では、「DX」という言葉の意味からDX人材の採用に役立つ人材エージェント(サービス)まで、幅広く紹介してきました。

DXとは、IT導入やデジタル化のことではなく、デジタル技術の活用によって製品・サービスやビジネスモデルに変革を起こし、経営改革を実現すること。つまりIT化のその先にある目的と言えるでしょう。
全社横断的に取り組む必要があり、多くの企業でもその必要性を実感していましたね。

しかし、DX実現にはいくつも課題があります。
その課題を乗り越えるために「DX人材」が非常に重要な働きをするということでした。

本記事では、DX人材の採用に強い人材紹介会社、DX人材の育成に強い研修会社をピックアップしています。人材紹介会社についてもっと知りたい方はこちらのページ、研修会社についてもっと知りたい方はこちらのページも併せてご活用ください。

本記事を通して、企業のDX推進に少しでもお役立ちできれば幸いです。

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